RyzenでデスクトップPCを組み直した
久々の感覚だ。
メインマシンをはじめて自作したのが確か2007年ごろで、当時の構成は確かこんな感じ。その前はPentium4かなにかのマシンを使っていた。
- CPU: Athlon64 X2 4200+
- M/B: 忘れた、確かASUS
- メモリ: たぶん4GB
- VGA: GeForce 6600
- HDD: WD Raptor
当時としては高コスパでけっこうなパフォーマンスだった。
このあとAMDはよく分からない方向に低調な進化を続け、6コア、8コアとコア数を増やし、クロックを4GHz近くまで上げてきた。
で、たしか2010年ごろ、卒論のためにVM上げまくったりしたかったのでコア数を増やしたくて、Phenom X6で組み直したのであった。この間、というかずっと、HDDやSSDは頻繁に換えている。このときはまだHDDだったかも。
- CPU: Phenom II X6 1090T
- メモリ: 8GB
- VGA: GeForce GTX460
さすがにAthlon64 X2に比べると速くて快適だった。
このあとさらにAMDは停滞を続けていて買う物がない状態だったが、さすがに何年か経つと多少はクロックが上がりコアが増えたものが出てきた。といっても単にコアが増えただけでIntelとの差は開く一方。当時最もスペックの高かったFX8350が安かったのでとりあえず買ったりしてみたりした。このときは石のみ交換で、CPUファンすらそのままにしていた(意図したわけではまったくない)。
あれから4年、さすがに限界を感じていて(というかもう8350の性能を調べているあたりからずっと感じていたが)、つらい気持ちになってきたころにAMDがZENアーキテクチャのRyzenを出すと発表したのが2016年末。これはもうRyzenで組むしかないじゃろと思っていたところ、2017年の3/3発売と発表された。しかしこのとき(つまりこれを書いている今もだ)、技術書典2が4月頭にあり、それに向けた執筆で大わらわであったので、これが終わったら4月中頃にRyzenで組もうと思っていたのだった。
そんなことを考えながら3/3の発売日に、普通に仕事をして帰宅したところPCが起動しないではないか。さすがに相当古いパーツも多く、問題の切り分け→交換で半日潰すくらいならRyzenで一発組めばよかろうと、そういう感じに相成ったわけだ。これは仕方が無い。
帰宅したところPCが起動しません
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) March 3, 2017
FX8350の自作マシンがRyzen発売日に死んだので明日全部買ってきて組みます
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) March 3, 2017
品薄とのことなので発売翌日、2/4(土)の朝10時、ツクモexで開店を待つわたくし。
待ってる pic.twitter.com/PMyjG8ypMn
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) March 4, 2017
店員「Ryzenのマザーボード、全く在庫ないですね。他店さんも無いと思います」
他店含めマザーボード在庫皆無とのこと
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) March 4, 2017
とはいうもののどっかにあるんじゃないの、とかいってツクモ12号館に行ってみたら1つだけあった。1機種、MSIのやつが1つだけ。
ぼく「これ(マザーボード)、箱出てますけど在庫あるんですか?」
店員「これが実物で、1つだけありますね」
ぼく「他の機種は?」
店員「何もないです」
ぼく「それください」
ということでマザーボードとCPU, CPUファンを調達。後から分かったが、このTomahawkだけ在庫が他のメーカーより残り気味だったので、選択の余地無くこれに飛びついた人が大勢いたらしい。トマホーカーと呼ばれる私たちはネタにされていたが、蓋を開けてみるとリファレンスデザインだったりOC耐性高いという話も出てきたりで逆転勝利という感じがしている(2017/03/08のところは)。
結局その後電源もビデオカードも何もかも買い、ケースまで含めて全て根性で持ち帰ってきた。今回の構成はこちら:
- CPU: AMD Ryzen 1700X
- CPUファン: 1機種しか対応品がなかったCooler master のHyper 212X
- M/B: 1個しかなかったMSIのTomahawk B350
- メモリ: 安かったCorsairの16GB x 2
- SSD: NVMe接続のなかで比較的安かったIntelの6シリーズ、500GBくらいのやつ
- 電源: Seasonic SSR650RMS
- ビデオカード: GeForce1060で6GM RAMで安かったMSIのやつ
- ケース: 評判が良かったDefine R5
- 総計、約18万円。
最近のマザーボードはSSD接続にもPCI Expressを使うので、レーンがビデオカードとSSDで取り合いになる(排他になる)こともある。しかし私はSSD1つ、ビデオカード1枚のつもりなのでだいたいのマザーボードで十分なのであった。しかし一つだけ誤算があり、このB350搭載の比較的安めのやつは将来のAPU対応も予定していて背面にビデオ出力端子がついているのだ。それ自体はどうでもいいが、そのせいで面積が足りなくなったためかこの機種には光音声出力がない。うーむ。アナログ出力で妥協するか適当にカードでも買うか悩ましい。
と思っていたが、せっかくなので外部に出そうと結局MAYAのU5を買った。USB接続で、アナログ各種I/OとデジタルI/Oがある。Windows10なら挿しただけで何の問題も無く動作するし、少なくともオンボードのアナログよりは音が良い気がする。
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ケースは11kg。苦役。 |
そんで、さくっと組んで電源投入。評判のいいDefine R5にしたけど、最近のケースはほんとうに良く出来てるのね。
やはり新しい石は美しいし新しいケースは余裕がある pic.twitter.com/nzeBXrhGlP
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) March 4, 2017
しかしあえなくブルースクリーンで死亡。数時間に1度起きるし、Lightroomで高負荷にすると割と簡単におきる。
Ryzen 3コマ漫画です pic.twitter.com/khzh5i73Z9
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) March 4, 2017
memtestを一晩かけるが無事完走。ドライバなども入れ直してみるが、そもそも最新にして最初のやつしか公開されてないし手の打ちようがない。仕方なくイベントビューワなどを見ていると、MSIのよくわからないMSI_ActiveX_Service.exeなどというサービスがInformationを出しまくっていたのでとりあえずこのサービスを無効にした。すると、X BOOSTとかいうMSIのよくわからないユーティリティがエラーを出すようになったので、こいつはアンインストールした。5日くらい経つが、、その後は快適である。
追記(2017/04/08): ここまでBIOSを1.2に上げたりいろいろ試していたが、メモリとCPUの電圧を1.25Vくらいまで盛ると安定するということがわかった。メモリはデフォルトだと2133MHzで1.20Vだが、1.25Vにしたら安定する。また、1.30Vにしたら2400MHzで安定するようになった。2666MHzは1.30Vで不安定だったので試していない。
全体的にとてもきびきび動いているし、新しいCPUは速いし、クーラーは静かでよく冷えるし、ケースは静かで組みやすいし、SSDは馬鹿みたいに速いし、なにも言うことがない。何年もまともな石を待ち続けたAMDファンにとっては言うまでもなくノータイムで飛びつくべき商品だし、Core i7との価格差を考えれば確実にRyzenの方が良いと自信を持って言える。こんなのAthlon64 X2の頃以来ではないだろうか……。これでむこう数年は戦えそうです。ありがとうAMD。できれば2,3年くらいしたら、また次の夢を見せてくれるとありがたいのだが。
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BIOS1.0, メモリ2133MHz時のベンチ結果(かっこ内はBIOS1.2, 2400MHzにしたあと):
PCMark8 Creative Accelerated: 7072 (7222)
PCMark8 Home Accelerated: 4644 (4727)
3DMark Time Spy (2560x1440): 4337 (4479)
3DMark Fire Strike (FHD): 11260