一昨年(2022年)にThinkPad X13 AMD Gen3を買ったところ一瞬で故障→返品となり、X1 Carbonを買った。
その後しばらくX1 Carbonを使っていたのだが、これはかなり冷却に無理があるらしくRAW現像を少しするとCPUクロックが1GHzに貼りついてしまい、全てが死ぬほど遅くなる。どうもコア数を欲張って1280Pにしたのがまずかったようだ1。RAW現像が少し遅いくらいならまだいいのだが、現像を開始するとほとんどフリーズしたようにWindows全体がほぼ応答できなくなる。さすがにこれでは話にならないので、見切りを付けて買い換えることにした次第。30万くらいしたのだが……。
プロセスが古く(知らんけど)消費電力の大きいIntelのCPUと薄型ボディの組み合わせが最悪だということはよくわかったので、この2つを避ける。つまりAMDの分厚い機種にすればよいのだ。そもそも最初に買ったX13 AMD Gen3が壊れなければ、あるいはすぐ修理できていればこんなことにはならなかった気がしてならないが……。
ということでP14s AMD Gen4を買うことにした。T14との差はよくわからないが、Pシリーズだから速いだろう、知らんけど。
CPUは上位の7840Uを選択。それでも1280Pよりはコア数が少ないが、もはやそのようなことはどうでもよい。メモリはあとから増設できないので十分な32GBを積んでおく。画面は2.8K OLEDが選べるのでそれにした。他にはFHDしか選択肢がない。そういえば最近光沢画面は流行らないのか?あまり見なくなったような気がする。SSDは交換すればよい(後述)ので256GB。キーボードはもちろんUS。
あとバッテリに3セルと4セルの選択肢があって、それぞれの重さについてはどこにも書いておらず、何がなんだかわからない(最悪)。とりあえずでかい方ということで4セルにした。届いたPCの重さを量ったら1337gだった。仕様には約1.34kg~と書いてあるのだが、3セルでも4セルでも重さは変わらないのか…?よくわからないが4セルでこの重さならこれが正解だろう。
これで20万円弱くらい。昨今の物価高からすると安く感じられる(気のせい)。
発注時の納期はいつもの「4週間以上」だったが、数日経ったところで1週間後の発送予定日が突然表示され、概ねそのくらいで発送された。そこから1週間くらいで届いた。えらい。
交換用のSSDは評判のよさそうなSDのSN770を選択。出先で画像を取り込むときに少なくとも500GBくらいの作業領域が欲しかったので、2TBにした。それでも23000円くらいである。これは別途ツクモの通販で買っておく。ついでにWeraの精密ドライバーも買ってみた2。
忘れてはいけないのが回復ドライブ作成用のUSBメモリ。安いやつでいいが、32GBの容量が必要だった。
X13 Gen3の時にも書いたが、最近のX1以外のThinkPadはマジで安っぽい。P14sもご多分に漏れずプラスチック感が溢れる仕上がりである。少なくとも昔のX60とかの天板は品位がすごくよかったと思うのだが。ということで質感を比べるとX1 Carbonとは比較にならない。キーボードも相変わらず他メーカーよりマシな水準であるとはいえ薄くて感触が良いとは言えない。しかし、そのようなことは基本的な性能の前では全て些事に過ぎない。
とりあえず初期設定とWindows Updateだけして、SSD交換に入る。が、その前に元からついていたSSDのベンチマークだけしておくことにする。あとからわかるがWDのSN740であった。
Read 4000MB/s、Write 2000MB/s。別にこの数字になにか不満があるわけではないが、容量(256GB)には不満がある。
SSDを交換する前に、USBメモリに回復ドライブを作っておく。8GBくらいでいいのかと思っていたが、32GB以上とのことであった。適当に買ったら32GBだったのでセーフ。この作成が遅く、1時間くらいかかった。
ドライブができたら、満を持してSSDの交換である。最近は保守マニュアルを読まなくてもYouTubeに公式の交換手順動画が出ている。正直助かる。
まずは動画の通りにBIOSからバッテリをオフにする。この操作をすればバッテリのコネクタを抜かなくてもよいらしい。便利。オフにした瞬間に電源が落ちるのは当然だがちょっとうける。
交換に必要なのはプラスドライバ(サイズは1と0だと思う多分。前者が筐体のネジ、後者がSSD)と、分解用のプラスチック製のヘラ?みたいなやつ(プライツール)。パネルは動画のように簡単に外れないし、安いのでプライツールは買っておいたほうがいい。ネジをはずしてプライツールを押し込んで蓋をあける。Ethernetポートの下側のところがちょっと割れそうになって怖かったが、しばらくやっていたらあいた。
動画で使われていた機種と異なって放熱のための?銅の板のようなものはなかった。ネジを外してSSDを抜く。デスクトップPCのマザーボードについているM.2のスロットと異なり、SSDを基板から30度くらい(?)持ち上げる方向に傾けて抜く方式ではないらしい。少しだけ持ち上げてほぼ基板と平行に抜く感じ。
SN740と770。今時のSSDは部品も少ないのね。さっさとSN770を装着してネジを締める。
蓋とネジを戻して、ACアダプタを接続する。最初にオフにしたバッテリの設定はACアダプタをつなぐと自動で戻るそうなので、普通に電源を入れればよい。作成した回復ドライブを挿入した状態で電源を入れ、F12キーを押すとブート対象が選べるのでUSBメモリを選ぶ。
データ全消しで回復する選択肢を選ぶとリカバリが始まる。
これも長く、1時間以上かかっていた気がする。
終わると初期設定にいくので(だるい)、これを倒すと完了。お疲れさまでした。
速度はどうでもいいが、期待通り。2TBの容量が頼もしい。
問題はRAW現像だ。Lightroomを入れて、手元にあった230枚の画像を現像する(AC接続状態)。4回やったがいずれも8分で終わり、CPU使用率が100%に張り付いているにもかかわらずクロックが3.7GHzあたりから落ちるようなことはなかった。実にすばらしい。
哀れX1 carbonは現像前のレタッチの段階でクロックが落ちて負荷MAXで、そこから現像すると酷く遅くなっていた。以前現像したときの画像フォルダをみてみると、1枚3.4~9.2秒くらいかかっていた。遅いのもそうだがばらつきがでかい。厳しすぎる。ついでにデスクトップPCでも同じ事をしたが、さすがに速かった。少なくとも2024年にRAW現像をするならとにかくAMDにしておけばよいということがわかる。
画像枚数 | 所要時間[秒] | 1枚あたり現像時間[秒] | |
---|---|---|---|
X1C i7 1280P_パターン1 | 41 | 141 | 3.44 |
X1C i7 1280P_パターン2 | 67 | 346 | 5.16 |
X1C i7 1280P_パターン3 | 60 | 552 | 9.20 |
P14s R7 7840U | 230 | 452 | 1.97 |
自作デスクトップ R7 5800X | 230 | 157 | 0.68 |
ストレージがでかくてRAW現像が速いのでもう言うことはなにもない。Rustのコンパイルは遅いかもしれないがそれはパソコンのせいではない。
その他、USBが気になるところではあるが、ドックを常用することもないのであまり高いレベルは求めていない。Type-Cで10Gbps通ることは確認できたので十分。欲を言えばType-Aも10Gbps通してくれた方が嬉しかったが、ラップトップではあまり見かけない(Intelでもそう)のでしょうがないかなあ。
ゲームのことはまったくわからないが、別件で簡単にベンチマークをしたかったのでインストール不要でサクッと試せるFF14ベンチ(暁月のフィナーレ)を回してみた。
2560x1440、フルスクリーン、最高画質設定で3433。同 高画質(ラップトップ)で4309。4000が普通に遊べる目安ということで、一昔前(?)のゲームであればQHDで遊べてしまうといってよいのだろうか。すごいなあ(感嘆)。
Ryzen最高!!!あとは壊れないでくれ!!!
]]>2024年初頭、家族で伊勢に行き、なんやかんやあってその後1日空くことになったので熊野に行ってきた次第。
前夜は伊勢市に泊まっていたので、とりあえず日の出前の始発で二見浦に行ってきた。気温はそこまで低くなかったが風は強い。岩に当たって砕ける波を見つめるあまり葛飾北斎になっていた。
その後あれやこれやがあり、松阪まで戻る。松坂駅は「まつさか」と読むのだな。松阪牛も「まつさかうし」あるいは「まつさかぎゅう」と読むのが正しいらしい。全く知らなかった。
特急南紀で熊野市へ向かうべく待っていたのだが、30分以上遅れてやってきた。これで熊野市へ。HC85系はこないだひだにも乗ったので目新しさはない(最近投入されたばかりだが)。きれいで快適(ではあるが電車の偉大さもまた逆に感じるところだ)。
松阪駅で買っておいた駅弁を食べる。蓋を開けると音楽が鳴るという異常な仕様で有名な弁当である。味はうまい。
熊野市駅にはマジで何もない。イオンで適当におやつと翌朝の朝食を買い込む。どうでもいいが、ここで買った90円のおにぎりが全くおいしくなくてつらかった。
本宮(後述)に行くのに熊野市駅に泊まる意味はあまりなく、バスの出る新宮駅の近くに宿をとっておくべきだったのだが、直前に予定を組み替えた関係で熊野市駅近くのホテルに泊まることになった。翌朝は早いうえにたくさん(当社比)歩くので、ビールを飲んでさっさと寝る。
翌朝、始発の次くらいの電車(電車ではない)1で新宮へ向かう。
紀勢本線の新宮までの道のりはほぼ海沿いで、海の向こうから日が昇るすばらしい景色が見えた。そんな絶景を背にしながら地元の中高生がスマホに熱中している。ですよね。紀勢本線は1~2時間に1本くらいしか電車のないなかなかローカルな路線で計画を立てるのがけっこう難しい。
30分ほどで新宮に到着。
バスまで30分ほどあるので、なんとなくだらだらして時間をつぶす。駅前にはコンビニ1軒以外、何もない。バスには1時間少々乗る&歩き始めるまで買い出しができないので、水と食料を買い込んでおいた。
新宮市、広いな?
ここで熊野古道のどこを歩くのかの説明をしておく。
熊野古道というのは熊野三山や高野山に行くための参詣道の総称?であり、当然長く、何本もある。ざっくり紀伊半島をぐるっと海沿いになぞる道(紀伊路・伊勢道・大辺路)と、紀伊半島の真ん中にある熊野本宮大社に向かって海沿いから伸びる中辺路、熊野本宮から北の高野山に至る小辺路があり、どう考えても全てを歩くのは不可能だ。バスなどで行ける登山口みたいなところの間を歩くのが一般的と思われる。
(画像は熊野本宮観光協会のページから引用)
熊野三山という3つの神社のうち最も偉いっぽい(バカの感覚)のが熊野本宮大社で、場所的にも一番山奥にある。とりあえずここに行くのがよかろう、そしてその近くを歩こう、と考えた次第。結果的にはもう一つ(速玉大社)行くことができた(後述)。
本宮から中辺路を西に行ったところにある発心門王子(ほっしんもんおうじ)2までの道は歩きやすくて初心者にお勧めとのことだったのでこの間を歩くことに。だいたい7.5kmで、2~3時間の道のり。本宮から発心門王子まではバスで行ける。
ちょうど新宮から本宮へのバスが着いた直後に本宮から発心門王子のバスが出るので、新宮からバスを乗り継いで一気に発心門王子まで行って、そこから歩いて本宮まで戻ってくる計画にした。
さて、新宮から本宮へのバスは何社かあるのだが、ちょうどよい時間のものは奈良交通のものであった。新宮発、大和八木駅行きである。ちなみに奈良交通だけは交通系ICカードが使える。
土地勘がないのでよくわかっていなかったが、大和八木駅というのは奈良県の中央より北にあり、伊勢や堺と同じくらいの緯度だった。この路線は終点まで6時間ほどかかり、高速道路を使わないバスとしては日本最長とのことでその筋では有名らしい。この路線を最初の1時間少々乗って本宮まで向かうことになる。
バスは熊野川の右岸を上っていく。本宮まではほとんどこの川沿いなので、右側に座るとよい。
途中落石があり一部迂回路を通るので5分ほど遅れる旨のアナウンスがあったが、3分遅れくらいで本宮に到着。時刻表通りにバスが運行するのに驚いたが、まあ他に車が全然いないのでそういうものなのかもしれない。発心門王子行きのバスまで10分くらいしかなかったが、バス停の場所も全く同じだったので何の問題もなく乗り換えられた(なんならトイレに行く時間もあった)。
龍神バスで発心門王子へ。15分くらい。現金オンリーである。少なくとも1000円札は用意しておきましょう。車内にはファミリーから年配の山に慣れてそうな方まで10人くらい。
バスを降りたところで、おにぎりを食べたり熊鈴をつけたりして歩く準備をする。
ここで今回の装備について(全体的に山をナメた格好しか用意がない)。
靴はいつものローカットのトレッキングシューズ。特に問題はなかったが、靴に小石が入ったりするし、若干不安もあったのでくるぶしが隠れるくらいの靴にしておけばよかったという気持ちがある。一足買おうかなあ。
リュックはこないだ買ったカリマーのデイパック(32L)。割とデカくてひももしっかりしており、一応腰のベルトもあるので重くてもけっこういける。これに2泊分の荷物とカメラ2台を押し込んだ。荷物でパンパンになってもシルエットがあまり崩れない、というか後ろに膨らまないのは登山用品の系譜を感じる。
ビビって買ったモンベルの熊鈴がかわいい。歩くとチリンチリン鳴る。ちなみに道中出会った数十人のうちで鈴を付けていたのは私ともう一人(修験者のようなひと)しかいなかったのだが、普通に熊が出るらしいのであった方がよいのでは、と思った。冬なのに出るのかよ、寝ててくれ頼むから。
一応手袋は持っていったが寒くなかったので使わなかった。服は汗をかいてもよいようにミレーのメッシュのアレを着た(精一杯のアウトドア装備)が、他はユニクロのストレッチジーンズなど普通の動きやすい格好である。
カメラはどうしても広角が欲しかったので24-70に加えて14-24の2台体制とした。前者にはPLフィルタを装備してあるので、嘘くさいくらいに緑が鮮やかに撮れた。代償として撮影のたびにフィルタをくるくるまわすのでえらい時間がかかる。一人でなければできない行為といえる。1台はPeakDesign Capture Clipでリュックのひもに、もう1台はポーチに入れて腰に下げた。さすがにぶらぶら動く状態では歩きたくなかったので。
発心門王子までいくと、熊野参詣道(くまのさんけい”みち”と読むそう) 中辺路 は世界遺産であると堂々たる石碑が教えてくれる。どこにいっても世界遺産にはユネスコ印の石碑があり、それぞれ無駄にかっこいい気がする。
発心門王子。
発心門王子から、西に向かう道の入り口には木の鳥居がある。ここはくぐらず引き返し、本宮を目指す。
最初は舗装路が続く。田舎のじーちゃんちの裏山(空想上の存在)を歩いているくらいの感じ。道の両側には杉の木が並んでいる。
熊野古道ではない道があると、そこには”NOT KUMANOKODO”と書いてあり親切。
水呑王子の近くには謎の廃墟がある。自然の中に一人きりというのは慣れているので割と平気なのだが、廃墟は怖い。
舗装路はここまで。ここからは普通の山道になる。石畳もあるが、だいたいは普通(?)の土の道。
お地蔵さんも寒そう(?)
そこら中に立っているやつ。
無限に杉林なのかと思いきや、多少植生が違うところもある。シダっぽいやつ。
三軒茶屋のあたりで、小辺路への分かれ道がある。78km先に高野山があるそうで。お、おう。
景色というか雰囲気がよいので退屈しない。しょっちゅう立ち止まって写真を撮っていた。発心門王子からは概ね下り坂なので、写真写りがよい上り坂を撮るためには振り返らないといけない。しょっちゅう振り返ってうしろを見ながら歩く変な人になっていた。
途中展望台の案内があるので寄ってみた。
大斎原(本宮近くの河原。昔本宮があったところらしい)にあるクソデカ鳥居(鉄筋コンクリート製で、日本最大だそう)が見える。
さらに歩いていくと住宅街の裏みたいなところに出る。数分歩くと熊野本宮である。
熊野古道を2時間少々歩いて多少なりとも厳かな気持ちで熊野本宮大社に入ったのだが、こちらは裏口というか、正面の参道ではなく本堂の横合いから入る感じになる。いきなり初詣客で賑わう神社に突入してしまい、人里に出てきた熊みたいな気持ちになった。えっみなさん歩いてこられてないんですか???(熊野古道歩いてきたマウント)
神門内の撮影は可能ではあるが、投稿はNG。個人的にはバランスの取れたルールだと感じる。まあ、公式ホームページには載ってるんだけど。
本殿はまあまあな階段を上った上にあり、みんなそれなりに疲れていた。
通りにあった寿司屋に入って昼食。天丼がうまい。天丼なのに衣がサクサクした状態で、それぞれの揚げ具合も絶妙。丁寧に作られている……。
予定ではもう帰るだけなのだが、バスの時間まで1時間半以上あったので別のコース(大日越)を少し歩いて戻ってくることにした。30分ほどのところに月見が丘神社というところがあるので、そこを目標に歩く。
発心門王子から本宮まではゆるやかな下り坂で、大変なところは全くなかった。一方こちらはかなりハードな上りで、ひたすら階段を上っている感覚に近い。
近いというか普通に階段である。
石段はまだよくて、木の根で出来た階段みたいなところがきつい。
気合いで登って到着。
少し休憩してすぐ戻る。下りも急なのでけっこうたいへん。順調に戻ったので軽く土産物を買いつつのんびりバスを待つことができた。お土産は名前で買った熊野三山。
行程をYAMAPで記録してみた。10.5kmくらい歩いていたらしい。その割にはあまり疲れなかった(慢心)。
次はもうすこし熊野古道!!!って感じのところに行きたいので、大門坂などに行ってみたい。熊野那智大社とあわせて割と簡単に行けそうな感じはするが、問題は紀伊勝浦まで名古屋から4時間くらいかかるということなんだよな……。大雲取越にもきれいな場所がありそう?だがこちらはガチのやつなのでおいそれとは行けなさそうで、まあ死ぬまでに行ければよいかな……。
帰りのバスも50分くらいかかる長丁場なのでのんびり寝ていたが、終点近くで外国の旅行者がバスを降りようとしていた。見ると熊野速玉大社前のバス停だった。そういえば帰りの特急まで相当時間があることを思い出したので、一緒に下りて熊野速玉大社を見に行くことにした。
これで熊野三山のうち2カ所にお参りしたことになるので御利益も2倍だろう(知らんが)。
石、速玉大社にもある。
速玉大社のあとは新宮城跡をちょっと見に行ってみた。小高い丘になっており、崩れた石段を登っていくと見晴らしがよい。人気のない東屋では地元の高校生らしきカップルが語らっており、思いっきり邪魔をしてしまった。申し訳ない。
うどんを食ったりしつつ、特急南紀に乗って帰る。おつかれさまでした。
]]>まずはベトナム。詳しくはこちらの記事にて。
あとは国内で、郡上、諏訪、奥多摩。
来年はもう少しなんとかしたい。
]]>https://www.amazon.co.jp/dp/B09SKMVMVG/
電車で遠出すると車内で何か食べるときにウェットティッシュで手を拭いたりするが、そのゴミを捨てるのが面倒だった。これは小さいゴミ袋の口が閉じるようになっているので、ちょっとしたゴミを都度都度放り込んでいくことができる。いっぱいになったら袋ごと捨ててしまう。とても便利。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B005HMMBYE/
膝掛けサイズの電気毛布。電気毛布にはサイズ(シングル・ダブル)や敷く用・かける用いろいろあるようなのだが、サイズ以外何が違うのかよくわからない。これは敷き毛布となっているが別にそう固いわけでもなく、ふつうに膝掛けとして使っている。
冬の暖房にエアコンと加湿器を使っていたが乾燥するし加湿器は面倒だし消費電力も高そう(調べてないが)だったので、在宅勤務用に電気毛布を買ってみた。消費電力はわずか31W。何より十分に暖かく乾燥もしない。すばらしい。パネルヒーターなんかでもいいのだろうが、より直接的に温めるから効率もよさそうだし、毛布の感じも好きなのでかなり気に入っている。これはもうこたつに比肩するレベルであり、暖房器具の最高到達点といっても過言ではあるまい。
ちなみに、電源スイッチがゆるゆるで(不良なのか仕様なのかわからないが)傾けると電源が入ったり切れたりして酷い。このスイッチは使わず、使わないときはコンセントを抜いている。まあ最大の問題は気持ちよすぎて、夜に使っていると普通に寝落ちしてそのまま椅子で3時間くらい寝てしまうということなのであるが……。
https://www.yodobashi.com/product/100000001005885508/
Weraのレンチ。ヨドバシだといま7000円くらいになっているが、当時は5400円くらいだった。Amazonだと4900円くらいで買えるようだが、私は2回注文して2回とも別の商品が来た。2階とも同じ(誤った)商品が来たので、たぶん何か完全に間違っているんだろうなと思って見切りを付けて(両方返品して)ヨドバシで買った。あほくさ。いまは大丈夫かもしれませんが、知りません。
このレンチはHex-Plusという独特の先端形状をしていて、ネジ穴がなめづらいという話。実際に使ってみると食いつきがよいことが感触からわかり、良い道具を使っている感じがする。また反対側はボールヘッド?となっていて、若干傾いた状態でもネジが回せる(強い力はかけられないが)ので便利。後者は他社の安いやつでもメジャーな機能ではある。
1本700円くらいでばら売りもあるので、よく使うサイズがある人は1本だけ買って試してみるのもよいと思う。私はセットで買いましたが、PeakDesignのネジを回すための4mmしか使っていません。しばしば着脱するので、ネジ穴がなめづらいレンチを使うのは大事だと思う(出費の正当化)。
https://www.yodobashi.com/product/100000001006414612/
いわゆる左手用デバイス。アプリケーションごとに操作を割り当てることができる。ボタン類はキーボードショートカットとそこまでかわらないことも多いが、ダイヤルが強い。
特にLightroomのスライダー操作がダイヤルに割り当て可能なので、作業が大分早くなる。ダイヤルは押し込むことができ、デフォルトでは各スライダーの値のリセットが割当たっている。めちゃくちゃ便利。私は露出、ハイライト、ノイズ除去、シャドウ、かすみ除去、色温度を6つのダイヤルに割り当てている。あとはクロップモードに入ると各ダイヤル設定がオーバーライドされて、画像の回転等ができるようになる。
私の場合、9割方の画像はこのくらいの操作で現像が完結するので、Loupedeckによる高速化の恩恵が大きい。
DaVinci Resolveは(専用デバイスを売りたいというビジネスの都合かもしれないが)サードパーティからの操作がほぼできない。Windowsでも使える機能はあるが別に使っていない。
Lightroom以外では唯一、Teams操作ができたので重宝していた。とくにミュート。別アプリがアクティブになっているときでも常にミュート操作ができる&現在のミュート設定が見えるので会議中に別の作業がしやすくて便利だった。過去形なのは、このプラグインが最近リリースされた新しいTeams(高速化したという触れ込み)に対応していないため。なので、いまはLightroom専用デバイスに成り下がっている。
とはいえ、Lightroomでの操作の効率化が圧倒的なので多量のRAW現像を急いでやる必要がある人にはお勧めしたい。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CLTWMSMY/
こないだのブラックフライデーのとき、160GBが約1万円、320GBが約2万円という理解できない値段だったので混乱して4枚(160GBx2, 320GBx2)買ってしまった。
中華メーカーにブランドが売却されたLexarの商品であり、さらにSILVERという名前からわかるようにCFeの中では廉価版である。規格的にも最低保障書き込み速度が200MB/sのVPG200という最低ランクとなっていて、まあどうなんだという気持ちも多分にあるのだが、とにかく安い。UHS-IIの一番速いもの(Write 300MB/sクラス、V90)より安いのにそれより速い。ベンチマークを取るとスペック通り800MB/sくらいの書き込み速度が出るし、実際にカメラで書いてみた感じでもUHS-IIよりはるかに速いことがわかる。
長期的な信頼性は未知数なのだが、ひとまず3週間くらい使い倒した感じ異常はない。2枚差しで同時記録で使う前提ではあるが、ただただ速くて快適。
ちなみにα7ivだとスロット1しかCFeに対応していないため、1枚はSDカードにするしかない。片手落ちである。
https://www.yodobashi.com/product/100000001008130710/
待望の1インチ版。4K60pと10bit Log記録で、けっこう画質がよくなっている。個人的に許せる画質といえるレベルで、それがこんなに小さいカメラで手ぶれ無く撮れるとなるとケチの付けようがない。
スマホアプリでアクティベートしないと使えないというDJIのクソおもてなし仕様はどうにかしてほしいし、アクティベートやアップデートに使うアプリがPlayストアでなくapk配布なのもマジでどうにかしてほしいのであるが、カメラとしては素晴らしいです。
外部接続マイクで試行錯誤した顛末はこちらの記事を参照のこと。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0CKR6ZX2F/
SFP+と2.5GbEが使えることを除くとどこにでもある普通のアンマネージドなスイッチングハブなのだが、10Gになるとそういう製品が無くて困っていた。これは蟹の新しいチップを使っているらしく、発熱が小さいのが売りである。最近このチップを使っていそうな中華ハブが同価格帯で多数発売されているので、どれを買ってもよいとは思う。購入から1ヶ月経つが、特になにも問題なく使えている。
ルータ(RTX1300)からSFP+でこのハブにつないで、自室のPCやWi-Fi6ルータへはこのハブから2.5GbEでつないでいる。将来PCを10G化する暁にはこのハブのもう一つのSFP+が火を噴くことになっているのだが、光ファイバーを通すわけにもいかないので、そのときは10GBase-Tになるとは思う。
https://www.yodobashi.com/product/100000001007666107/
高いカメラのレンズ。
主に室内でポートレートを撮るのに使っているが、圧倒的な画質に加えて小さく軽いという利点もあり、バランスのとれた素晴らしいレンズである。実力が出るようなシーンでは全くないが、この記事の写真はすべてこのレンズで撮影されている(だから何だ)。
]]>言わずと知れたOsmo Pocketの3代目。初代を使っていたこともあるのだが、さすがに画質に難があったため使わなくなっていた。使い勝手やブレのなさは特筆すべきものがあり、かねてよりこれの1インチ版が出たらなあと思っていたところに突然(やっと)発売されたので即購入した次第。ちなみにDJIのカメラやジンバルは購入後にスマホアプリを使ってアクティベーションをしないと使えないというしょうもない仕様となっているのだが、この製品のアクティベーションに使うAndroidアプリはストア配布でなくapk配布である。まともな会社のやることではない。いい加減にしてほしい。
さて、動画を撮るときに必要なのはマイクである。もちろん内蔵されているが、外部マイクと音質を比べた上で何を使うかを決めたいところ。ちなみにOsmo Pocket3はDJI Mic(2)という無線マイクに対応しているらしく、それを主に使ってほしいという意思をDJIからは感じる。だが断る。都合良くマイクをつけられるような環境で使わないため。
すると必然的に小型の有線マイクをつなぐ方向になるが、この製品にはUSB Type-Cしかポートが存在しない。一応取説には記載があり、使えるということになってはいる。
Osmo Pocket 3は、外部マイク(DJI Mic, DJI Mic2、48K/16ビット対応のサードパーティ製のデジタルType-Cマイクなど)と接続することができます
ということで、いまα7ivで動画を撮るときに使っているオーディオテクニカのAT9912なんかをつないで使ったら手軽に音質アップが狙えるのではないかと思っていろいろ試したところどハマりしたのであった。
先に結論を書くと、このようになっているので注意されたい。
この表示がないときはマイクが認識されていないので、音質比較をしても無駄なのである(やったわけだが)。
まずはBOYAが出しているOsmo Pocket専用USB-Cマイクを買ってみた。BY-DM100-OPというやつである。国内ではもう販売されておらず、AliExpressで$40くらいしたように記憶している。
そしてType-Cからマイク端子に変換できたらそれもよいなと思い、BOYA OA-1も買ってみた。こちらは$10くらいで、Osmo Action用とのことであった。
そしてこの2つはOsmo Pocket 3では全く使えなかった。過去とプロトコルが変わったのかもしれない。
アダプタはともかくOsmo Pocket専用マイクが3で使えなかったのは悲しい(値段的にも)。
専用(専用ではない)マイクが使えなかったのでいろいろ調べていると、普通のType-Cからマイク端子に変換するアダプタを使ったらマイクが使えたよというYouTube動画を見つけた。
そこで紹介されていたStouchというところの安いアダプタを買ってつないでみたところ一瞬画面にオーディオレベル表示が出て、マイクが使えるという期待が高まったが、この個体のUSBコネクタが異様に固く、中を見たら端の金属部品がめくれたりしていた。諦めてこれは捨てた。
なんかいけそうな気がしたので、同様の製品を3つ注文してみた。
ところが、満を持してこれらにオーディオテクニカのAT9912をつないでみたところ全く動かなかった。いろいろ試してみたところ、どうもこれらのアダプタに差すマイクはTRRS(4極のもの)でなくてはいけないらしい。AT9912はカメラ用なので3極(TRS)である。そういえばMKE400にも、カメラ側が3極になっているケーブルと4極になっているケーブルが同梱されており、後者はスマホ用と書いてあった。
MKE400のケーブル(スマホ用)を引っ張り出して適当なマイクとつないでみたところ、3つともちゃんと動くことがわかった。適切に繋ぐと画面にオーディオレベル表示が出る。ちなみにやや動作が不安定なので、マイクをつないでもレベル表示が出ないこともある。設定画面を開いたり出したりしていると出てくることもある。
TRRSならよさそうだということがわかったので、TRRSをTRSマイク端子に変換するアダプタ1を買ってAT9912を繋いでみたところ、これでもOKであった。とはいえこれだとケーブルが長すぎて不便なので、BOYAのTRRS端子のマイクも買ってみた。
「Type-C - TRRS」は、上のUGREEN/エレコム/Beyeahの3つのいずれかを指す。
ということで上に書いた結論に至る。
ここに至るまでマイク関係だけで8個ほど物を買っており、合計金額についてはあまり考えたくない。最初に買ったBY-DM100-OPはメルカリに出そうかな……。
さて、いろいろ買ったおかげで使える組み合わせがたくさんある。どれを使うのかを考えなくてはいけない。
まずは自撮りしながら内蔵マイクと各種アダプタ・マイクを比較する動画を作った(非公開)。感想としては内蔵マイクがそこまで悪くなかった。同様の比較をα7Siiiでもやったが、このときより内蔵マイクと外部マイクの差が小さい気がする。なぜかはわからないが(小型DACの限界?)VideoMicroみたいな良いマイクをつないでもそこまで音質がよく感じられない。マイクの差分という意味ではAT9912とRODE BY-M110はそこまで変わらない印象を受けた。
そして今回問題になる点として、Type-C - TRRSは単なる端子形状を変換するアダプタではなく、DACである。ここでAD変換もしているようなので、製品によって音質や音量が異なる。エレコムは音量はでかいがホワイトノイズ?が常に乗っている感じ。BeyeahとUGREENはノイズ小さめだがレベルも低め。
その他気づいたこととして、モノラルマイクをつないだときの挙動が異なる(今回試したマイクは全てモノラルだった)。エレコムとBeyeahは片側(たぶんL)だけに音が入っていて、反対側は無音だった。UGREENは左右に同じ音が入ってきていた。これが余計なおせっかいととられるのか親切な仕様ととられるのかオーディオ業界の常識はわからないが、ヘッドホンで聴く限り両方に音が入っている方が違和感は小さいように思う(もちろん、片側にしか音が入っていなかったとしても編集時にどうにでもできるとは思うが)。ここを気にするならUGREENにしたほうがいいかもしれないが、スピーカーで聴くならどっちでも一緒かもしれない。
これらの組み合わせを試した感じ、いちばんボリュパ(体積対パフォーマンス比を表す珍妙な造語)がよさそうだったのはBeyeah + BOYA BY-M110を使い、内蔵のゲインを+12~+18dBくらいかけてやる組み合わせ。アダプタも小さいし、しばらくこれでいくことにする。UGREENにはケーブルなしの直結アダプタもあるようなので、こちらにすれば左右に同じ音の入った動画が手軽に撮れるかもしれない(未確認)。
ヘッダ画像の右端のものである。長くて不便。 ↩
刃物まつりの話を聞いて関に行こうと思いたち、それとは別に現存天守閣の一覧を眺めていたところ、犬山城が関から近いということを見つけ、まとめて行こうとなった次第。
日帰りで一気に関と犬山に行ってもいいが、どうせなら一泊したいということで長良川鉄道沿線を調べていたところ、郡上八幡というところがあると知ったので泊まることとした。
行程としては、郡上八幡(観光&宿泊) → 関(刃物まつり) → 犬山(観光) の順でいく。
名古屋から特急ひだで美濃太田へ。ひだは最新のHC85で運行されていて、たしかにハイブリッドっぽい感じで静かではあった。しかしそれなりに揺れるし、新車の匂いがするし(最初は)後ろ向きだしで、若干気分が悪くなった。電車でこうなるのは少し珍しい。
美濃太田で長良川鉄道に乗り換え。ローカル線である。こちらはHC85とは異なり由緒正しい気動車という感じでエンジン音と揺れがすごい。とはいえVisaタッチで乗れるようになっており、乗車時と降車時それぞれタッチするだけでよい。関を少し過ぎたところに「うだつの上がる町並み」があるそうなので少し気になったが、郡上八幡の方が優先順位が高いだろうということでスルー。一気に郡上八幡まで向かう。
1時間半ほどかけて到着。
趣のある駅に到着。駅は町の中心部からやや離れたところにあるので、宿までまっすぐ歩いて20分くらいかかる。普通はバスを使うのだろうがつまらないので歩く。幹線道路ではなく川沿いを歩いていったので、30分以上かかった。
かなり古い町並みで、川沿いの建物が自由に川へアクセスする階段を作っており時代を感じる。
宿に到着。風情が溢れている。言葉を選ばずに言うと全てが古い(水回りはリニューアルされており清潔)。
部屋も趣深い。廊下とは障子2枚で隔てられているだけで、鍵もない。こういうのがね、いいんですよ。
アップルが商標を買ったという例の電話もある。
荷物を置いて散策に出る。古い町並みと水路、山と川があり、とてもよい。
岩山を削って作られた神社が町中にある。
みんな大好き、水路の立体交差。この町は川が近いだけでなく町中に水路が張り巡らされており、昔は生活に密着していたのだと思わされる。
深くなっているところに橋から飛び込む遊びがあるらしく、警告の看板が掲げられている。禁止なのかと思いきや、不慣れな人が飛び込むことを戒める内容で笑ってしまった。
ちなみに郡上八幡は食品サンプル(飲食店の店頭に見本として置いてあるアレ)の産地らしく、そういう土産物が豊富である。
鯉が泳いでいる水路もある(地元の人が世話をしているらしい)。100円で餌を買って与えることもできる。
疲れたムーミンもいる。
謎のご当地キャラクター、あゆレディー。
腹が減ったので五平餅を食べる。
せっかく来たので郡上八幡城まで登ってみる。麓?の通りから歩くと20分くらいかかるが、なんと近道を使うと3分短縮が可能。近道というか、うねる車道を直線的に突っ切るための階段である。
郡上八幡城は木造で再建された城として最古のものらしい。しかしもう閉まっていたので中には入れず。
ちょうど日没の光線が良い時間帯になったのであわてて下山、町並みを眺めるが間に合わず。
もう少し早く計画的に下りてくればよかった。このあたりは周りを山に囲まれているので、日没の時間が計算より早いのかもしれない。知らんけど。
暗くなってきたので宿に戻る。
風呂に入り夕食をいただく。旅館の夕食なんてずいぶん久しぶりである。とてもおいしい。
きりがないのでこのへんにしておくが、宿泊のプランをまんぷくプランみたいなやつにしておいたので、その名に違わず満腹になった。旅館で食事をいただくような旅行はほとんどしたことがないのだが、風呂に入ってから浴衣でうまい飯を食い酒を飲み、すぐ隣の部屋に戻ると布団が敷かれているというのは極楽としか言いようがないな。ちなみに連休があけて仕事で死にそうになっている今このブログを書いており落差が凄まじい。殺してくれ。
食後、明朝の食事を7時半にするか8時にするかと聞かれたのだが、刃物まつりに行くためには8時前の電車に乗らなくてはいけないので、朝食を食べていたら間に合わない。その旨を話すとそれじゃあ6時半くらいじゃないと間に合わないですねと仰って朝食の時間を6時半に調整していただいた。ありがてえ…… おっさんの一人旅を泊めていただいたのみならずそこまで柔軟に対応してくださり感謝しかない。
予定では夕食後にのんびり本を読むはずだったのだが、秒速で寝ていた。よく考えたら出発前日は25時くらいから準備をはじめて寝たのは28時くらいだった。結果よく寝ることになり、6時にばっちり起きることができた。健康か?
予定踊り6時半に朝食をいただく。
で、精算して出発。
旅行で早朝に町に出るといつも思うが、昼や夜とは異なる早朝だけの景色というのがある。それは朝靄であったり夜露であったり通りに出ているゴミ袋であったり市場で買い出しをする人であったりするのだが、早朝には早朝の情景があり、一度の滞在で二度美味しい。普段は絶対早起きなどしないのだが、旅行中はついつい早起きしたくなってしまう。
早朝ということでバスもなく、電車もまた長いので、途中コンビニで飲み物を補充しつつ20分ほど歩いて郡上八幡駅へ。
来たときと同様、一両の気動車に乗り込む。こんども乗客は(最大で)10人くらい。ボックスシートを独り占めである。
途中の駅に謎のカエルがいるなど、謎の多い路線である。川を何度も渡るので、そのたびにすばらしい景色が見られる。
1時間少々乗り、関下有知駅で下車。
ここは、刃物まつりの記事 で書いたところなので割愛。
包丁をしこたま入手して包丁まつりのメイン会場まで戻り、せきてらす前駅から美濃太田駅行きの電車に乗った。この日ここまでだけで7kmほど歩いている。疲れた。
美濃太田で腹ごしらえ。何はなくとも蕎麦である。
蕎麦を食べ、次の目的地の犬山城を目指す。
美濃太田から高山線で鵜沼まで行き、名鉄に乗り換える。犬山遊園から歩いた方が近そうだったのでそこで下りた。川沿いを歩いて犬山城に向かう。犬山城は山の上にあり、特急ひだに乗っているときも山の上に犬山城が見えますよというアナウンスがあったくらい、見通しのよい城である。つまり、登るのが大変ということだ。
なんやかんやがんばって登ったら着いた。天守閣入場は30分待ちということで、行列に並ぶ。そういえば松本城もけっこう並んだな。なにせ待ち時間が長いので後ろのカップルの会話がたっぷり聞こえてくる。
天守閣の中は現存天守らしく質素さを感じる内装であった。
びびったのは最上階で、この階の外、回廊?に出ることが出来る。順路がこれを一周するようになっており、全員通ることになる。通路の幅がせまく、柵は大人の腰より低く、つるつる滑る木の床は外に向かってやや傾いている。そしてここは高台に立つ城の5階くらいの部分である。普通に怖い。近くにいた女性はずっと怖い怖いといって連れの腕をつかんで壁際から離れられない様子であった。なかなかない体験なので面白い。
そして、天守閣とチケットがセットで売られていた(単体でも売っていたが)日本庭園 有楽園(うらくえん)にも行ってきた。美しい庭園であり、国宝の茶室がある。途中(国宝ではない別の)建物の縁側に座れるところがあったので一休み。風情もクソもない扇風機と虫除けスプレーが常備されている。それはいらなくない……?
ちなみに茶室は窓の隙間から中をのぞくことが出来るが写真撮影はNG。中の写真は公開されているのに写真撮影がNG(ストロボNGではなく撮影がNG)という全く説明のつかないタイプの写真撮影禁止で、私が一番嫌いなやつである。そういうしょうもないことをする建物は外観の写真も載せてやらないし、代わりにその近くで撮ったなんかそれっぽい映え写真を出してくことにする。
見学を終えて、帰りは犬山城正面から犬山城下町を通って犬山駅まで歩いた。城下町は観光地化された店が並んでおり、食べ歩きをしながら城へ行き来する人で賑わっている。あまりこういうところとは縁が無いので、すたこら歩く。犬山駅のおしゃれカフェで一息。
名鉄特急で名古屋まで戻り、帰宅。おつかれさまでした。
]]>おそらくTwitterで見かけたのだと思うが、刃物まつりに行くと包丁が安いという話を聞きつけて調べてみた。曰く、愛用のUX10, 440を作っているミソノの規格外品がえらい安く買えるとのこと。公式のページを見ると刃物大廉売市と書いてあり、メインストリートに各メーカーが出店するらしい。ミソノの名前もある(たぶん。後述)。行ってきた人のブログを調べていると、3000円~5000円くらいでミソノの440や炭素鋼の規格外品が買えるとかなんとか。信じられない安さである。このほか、包丁研ぎサービスなどもあるらしい(もっと言えばステージで出し物やたくさんの出店もあるようだが割愛する)。
ミソノの440は、ペティ12cmを使っているが、刃が薄くて使いやすい良い包丁という印象。柔らかいので刃がへたるのも少し早いが、そのぶん研ぎやすい。メインの牛刀以外のラインナップをコスパ良く埋めるのには最適だ。
買う理由も用意できたとはいえ、さすがにこのためだけに岐阜まで行くというのはちょっとコストが高すぎるので、前後で郡上八幡と犬山の観光を入れて1泊の旅行にすることにした(旅行部分は別途記事になると思われる)。これで包丁の購入部分のコストは実質0である。
刃物まつりの会場は長良川鉄道の関駅あたりから少し歩いたところ。長良川鉄道は1時間に1本くらいしかないローカル線である(Suica等は使えないがVisaタッチで乗れて便利だった)が、それ以外は特に心配することはない。行って買えばいいだけである。
ところが、旅行を手配してから改めて刃物まつりのページを見ていると、出展者のところにミソノの名前がなくなっていた。こうなると本当に最初からあったのか自信がなくなってくるが、とにかく今ないことだけははっきりしている。まじかよと思いつつミソノのWebページを見ると、しれっと情報が出ていた。
いやこれ気づくやつおらんやろ。
古風なメーカーなので各種SNSでの広報もやっておらず、マジで情報がない。Twitterで言及している人も全くいない。大丈夫なのかこれは。何時から始めるのかもまったくわからん。そもそもなんでメイン会場に出さないのかもわからん(大人の事情か?)。
ともあれ行くしかない。場所を調べると、関の駅から山の方?に数km離れたところである。辛うじて関下有知(せきしもうち)駅から歩いて行けそう(2km)なので、歩いて行ってみることにした。結論から言うと歩いて行くべきではなかった。
前夜は郡上八幡に投宿していたので、上りの長良川鉄道で関下有知駅へ向かう。早朝ということもあり電車(電車ではない)が少なく、9時頃に到着する電車の次は11時頃になる。いくら開始時間がわからないといっても11時着では遅すぎると思ったので、前者にした。
関下有知駅というのは本当に何もなく、プラットフォームと屋根、自販機が1台あるだけのところである。
電車が走り去る。
振り返ると駅が小さすぎてまたビビる。
田んぼの間の道を歩いて行く。
歩いて行くと工業団地に出るが、木が茂っているので工場も見えない。単に道が立派な森の中を歩いているだけである。なんなら古墳もある。
古墳自体は入れるよう整備されているわけでもなかったので見られなかったが、小高い丘のようになっていた。さらに歩いていくと、ミソノの工場が見えてくる。社名の書かれたのぼりが立っているが、遠目には包丁を売っているようには全く見えない。駅からだいたい30分かかった。
正面に回ると門が開いていて、建屋の大きな扉も開いていた。
近寄っていくと会社の方がいたので包丁の販売をやっているか訪ねたところ、「やってます、ミソノの商品だけですが……」と控えめなお返事をいただいた。いやミソノだけやっててくれれば十分ですよ。
逆にどうやって来たんですかと聞かれたので、駅から歩いてきたと答えたらたいそう驚いておられた。当たり前だが他の客はみな車(タクシー含む)で来ていた様子であった。
中に入ると長机が5,6個並んでいて、包丁が無造作に箱に入れられて売られていた。「規格外良品」とのことで、化粧箱などはなく紙でくるんだ状態で並んでいる。他の客は3人くらいしかいなかった。むしろよく3人も来たな。9時半くらいに到着したが、すでに販売は始まっていた。9時(あるいはもっと前?)から販売開始していたと思われる。
ミソノのステンレス包丁のラインナップは上からUX10, 440, (無印)モリブデンの3種であるが、前情報通りUX10はここには出ていない。440(PH含む)とモリブデンが出ていた。目当てにしていた440がたくさんあったので大興奮である。ちなみに、この会場では「モリブデン鋼」と表記されて、440と(無印)モリブデンの包丁がいっしょくたに売られていた気がする。たぶん値段も同じ。刃を包んでいる紙をそっと抜いてモデルを確認する必要がある。鋲の数でもわかる(けど長さにもよる)が。「プロ用」と書かれているものもあったがその基準はよくわからなかった。
まずは一番欲しかった440のペティ15cmを確保。440のペティはあまり本数がなかったので、遅く来ていたら買えなかったかもしれない。なんとこれが2500円であった。正規品をAmazonで買うと10000円近くするので引くほど安い。状態の悪いメルカリの出品より安い。
440はこのほか、牛刀、筋引、骨スキ、中華包丁などがあった。牛刀は間に合っているし、中華包丁と骨スキは何に使ったらいいかわからん。中華包丁は一瞬迷ったがえらい重いし、安いと言っても5000円以上はする。さすがに買わない。
ということで筋引を買った。その場に長さの表示はなく24cmだと思い込んで買ったのだが、家に帰って確認したら27cmあった。牛刀代わりに普通の料理に使っている人もいるらしいと聞いていたのでそれもいいかなと思っていたのだが、27cmではさすがに長すぎるだろう。刺身を引くのによさそうだし、片刃気味に研ぐとしよう。この27cm筋引が5500円である。これもAmazonで見ると2万円近くする。
さらにカーボン鋼(ハガネ。要するに錆びるやつ)も売っていた。こちらは三徳と牛刀。錆びる包丁なんて使ってられるかよと思いつつ、切れ味がすごいという話だけはよく聞くので興味はあり、こちらも1本買ってしまった。こちらは3500円。この値段だと実験的な買い物もしやすい。(これも)その場では18cmと書いてあったような気がしたのだが、帰宅してみると21cmであった。半日で成長したのかもしれない。こちらは21cmがいちばん取り回しがよいので、ラッキーではある(そもそも聞けば丁寧に教えてくれるので、聞けばよいのであるがこちとらコミュ障なのである)。
お金を払うと、それぞれ鞘のようにした厚紙にくるんでテープで留めて、紙袋に入れて口をとめてくれる。さすがにむき出しで持ち帰られると困るということだろう。メイン会場に出店しないのは大人の事情かとも思ったが、もらった手提げ袋は刃物まつりの公式?のもののようである。
かくして、計11500円で3本の包丁を手に入れたのであった。
タクシーでミソノの工場に来た人がいたので、下ろして帰るタクシーを捕まえようと運転手に話しかけてみたものの私が会話の流れで「大丈夫です(それでも別に構いません)」と言ったら断りだと思ったらしく走り去ってしまった。まあなんか普通に面倒だから乗せたくなかった感はあったが。
仕方がないのでどう控えめに言っても山の中の工場を出て、メイン会場へ歩く。距離は3kmほどである。
上の写真の、奥に見えるビルのむこうに見える丘(を貫通するトンネル)の向こうがメイン会場である。普通に疲れてきたあたりで着いた。
すごい人出である。これだけ人がいるのにミソノの工場には片手で数えられるくらいしか人がいないのは逆にすごい(広報が)。まあ不要なB級品をさばいているだけなので別に人が来なくても構わないのだろうが。もしメイン会場に出店していたら人がたくさん来て、もっと早く品物がなくなってしまっただろう。過去のブログなどを見ると大人気だったと書いてあったし。そういう意味ではラッキーだった。疲れたが。
せっかくなので他の店もちょっと見てみたが、まず混んでいてじっくり見ることができない。そしてほとんどの店はいつもよりすこし安くして売っている(最大でも半額くらいが多かった印象)くらいの感じなので、B級品を売ってるミソノにコスパでかなう店はなさそうな感じだった。ので、メイン会場では何も買わずに終了した。普通に8Aの包丁を1万円出して買うならその半額以下の440にしたらいいんじゃないかな……と思いながら会場を後にした。
たまたませきてらす前の駅に行ったら美濃太田行きの列車がきたので、それで離脱。ありがとう刃物まつり。
買い物結果には大満足であるが、ミソノの工場に歩いて行ったのは完全に失敗だった。
とはいえ代替案はあまりない。
関や美濃太田にはレンタカー屋があるので、あらかじめ手配しておけば朝いって車を借りることはできた。のだが、車だと関から往復で数分だし、そのために借りるのもなあ……と思って借りなかったのであった。別案としては前日から1泊で借りて、郡上八幡への往復もすべてレンタカーにするという手もあった。ただ長距離だと運転が面倒だし、車だと本が読めない。よってこれは避けたい。
関駅ではレンタサイクルをしているらしいが、これは台数が限られているようだったのでなかなか計画に組み込むのはむずかしい。外したら余計に歩くことになる。
あとはタクシーで、これが一番現実的だったと思われる。関かどこかの駅に迎車を手配して、それで行くべきだった。次回があればそうしようと思うが、さすがに1年後にまた包丁を買い足すつもりになっていることはないと思う。
帰って一度ずつ使ってみた。
15cmペティは期待通り、やる気が出ないときの料理をこれ1本でやるには最高。筋引はマジで長いので普通の料理には使いづらいが、柵を買ってきて刺身にするにはめちゃくちゃやりやすかった。これくらいの長さは必要なんだなあ。そしてハガネの牛刀であるが、意味わからんくらい切れる。コバルトスペシャルより切れる。これははまる人がいるのもわかるな。少し時間に余裕があるときはこれで料理すると気分が上がってよさそうだ。
ということで、総じて期待通りであった。
]]>Twitterをはじめたのは2009年で、はじめてAndroidスマホを買った(ご存じでしょうか、HT-03Aを)のがきっかけだった。それ以来ほとんど人生がTwitterとともにあり、Twitterでつながった人もたくさんいるし、Twitterで得た情報も無数にある。Twitterがなければ同人誌を書くこともなかっただろう。ありがとうお前ら。
そんなTwitterもここ数年は品のないアカウントが跋扈するようになり、常に誰かが怒ったり煽ったりしているありさまであった1。炎上を人々に見せて小銭を稼いでいる(そしてサーバ代を賄いきれない)サービスというのがここ数年の印象である。そんな中イーロンマスクがとち狂ってTwitterを買収したとのことで、多少は経営が改善するとよいなと期待したのも束の間、あれよあれよという間にしょうもないサービスになっていった。
私は(それなりに社会と折り合いを付けているとは思うものの)まあまあへそ曲がりであり、サービスのレベルを落とされたくなければ金を払えというスタンスで来られると絶対に金を払いたくないという気持ちが湧き上がってくる。無課金だとTweetDeckが使えない、DMが送れない。そうですか、じゃあ別にそれでいいです。
何より、サービスが変わっていく過程でクールなものになるならよいのだが、いちいちダサいのが本当にキツい。本当にダサい。自分のProfileページを開くと全てのツイートに「Promote」のクソでかいボタンが出ているのも耐えがたい。名前がXだかなんだかに変わったのもキツいし、アイコンが傷だらけになってるのも無理だし、本社に光る看板た立ててるのもウッとなるし、全てがキツい。私は中二病を脱せなかった金持ちのおっさんのダサいおもちゃの一部でありたくないのだ。
だから、Twitterをメインに投稿することはなくなると思う。ダサいから。
すでに日常のどうでもいいことはBluesky2に書いている。Blueskyが安住の地だとかTwitterの再来だとか思っているわけではないのだが、Mastodonのような分散型サービスにもあまり未来を感じないというのが正直なところで、今のところ一番マシに見える。人がいない以外は。招待コードあるのでやりましょう。Blueskyの問題は招待制かつアカウントがないと書き込みが見られないということで、私の動静を確認するためにBlueskyのアカウントを作らなきゃいけないのは問題ではあると思っている。が、まあそんな人もほとんどいないとは思うので、アカウントつくってください。招待コード余ってるんで。
引き続きTwitterも見てるとは思うけど、イーロンマスクのサービスで積極的に活動する気は起きないですね、という話でした。
他人事のように書いているが、当然私もその一部である。その対極という意味で、安東量子さんの落ち着いた筆致がとても好きで、氏がマストドンに移行したことからも影響を受けている。 ↩
そこら中に書かれているから詳細は述べないが、サンライズ出雲・瀬戸の切符はJR西日本のe5489というサイトで予約することができる。えきねっとと比べるとややマシかもしれないが、常軌を逸した仕様であるという点は大差ない。
このe5489で予約した切符を受け取る際の制約もまた驚異的1で、関東での受け取りを前提にまとめると、2023年3月までは下記のようになっていたと思われる。
サンライズは前者に該当するので、東京・品川・新横浜にある東海の券売機でしか受け取れなかった。特にサンライズが停車する横浜で切符が受け取れないという凄まじい仕様は有名で、これに関する情報はWeb上に多数見つけられる。実際に、過去はサンライズを予約しようとすると決裁の段階で上記の制約について注意喚起が出ていた。
が、今回(2023年4月)に予約したときはその警告が出ず、変だなと思ってWebの記述を確認していると、上記制約が無くなっていたことを発見した。同じ流れで関東のみについて書くと、現在はこのようになっている。
注意書きの削除という形なので気づかなかったが、制約が緩和されており、JR東海エリアを含む切符がJR東の券売機(但し都区内等)で受け取れるようになっている模様。
Web Archivesで確認すると、2023/3/19の段階では不可との記載が赤文字であるが、現在はそれが消えている。
鉄オタでもない私たち一般人には到底理解不能であるにもかかわらずインパクトのある制約だったため、これが緩和されたことはどこかに取り上げられているものと思って調べてみたが特にニュースサイト等に紹介されているわけではなさそうだった。むしろ上記制約について2023年4月以降も言及している例もあるくらい。
公式の情報以外に裏付けがなく自信がもてなかったが、せっかくサンライズの切符を予約してあるので試してみたところ、普通に蒲田の券売機で発券できた。拍子抜けである。
ちなみに、e5489には下記のような記載がある2が、JR東の券売機ではクレジットカードと電話番号の下四桁のみで受け取りができた。
きっぷのお受け取りには「決済クレジットカード」、「予約番号(5桁)」と「電話番号(下4桁)」が必要です。
ということで、実際にWebの記載通り制約は緩和されていて、サンライズの切符をJR東の券売機で受け取ることはできる。但し、東京都区内各駅、北陸新幹線各駅、成田空港駅、空港第2ビル駅に限る3。なので、実際にこれで便利になる人がどれくらいいるのかは定かではないが、少なくとも東京や品川でどの券売機でも受け取れるわけで、そこは多少困る人が減るのかもしれない。が、いまはWebで調べると東海じゃないとだめ!とそこら中に書いてあるので、当面救われる人は増えない気がする。
]]>なお三大うっかりの残り2つは、カメラボディを買う、オールドではないレンズを買う、三脚を買う、カメラバッグを買う、ストロボを買う、レンズフィルタを買う である。
Contax T* Planar 45mm (G)だ。詳しいことはよく知らないのだが、レンジファインダー式のContax Gというカメラがあり、Carl ZeissのT* コーティングのレンズがラインアップされていたらしい。一部を除いてマウントアダプタでミラーレスに付けることができる。Contax Gにした理由はあまりないのだが、ゴールド系のデザインが好みだったというのと映りの評判がよいというところ。
ミラーレスで使えるといってもビオゴンやホロゴンはCMOSセンサと合わないのか色被りが派手に発生する模様なので、さすがにこれは避けて、好みの焦点距離である35mmか45mmのうち入手しやすそうな45mmを選択した1994年の製品である。そろそろ30歳。
マップカメラ、メルカリ、Amazonで適当に出ているやつを比べて、AmazonのがよさそうだったのでAmazonで買った。約45000円。なにせ古いので、動作確認済みか、カビや曇りがないか、くらいは確認してから買った方がいい。キャップやフードは付属している出品がほとんどないが、単体だとメルカリで安く売っている。そのへんで適当に調達した。
そしてマウントアダプタだ。メジャーなのがEマウントで、なんとAF対応のものも発売されている。そのような無粋なまねをするつもりはないのでMFで十分だし、なによりαはコンパクトなレンズをつけるにはでかすぎる。そこでSigma fpにつけるべく、Lマウント対応のアダプタを調達した。164ドル(+送料 約20ドル +関税少々)なり。いま見たら一時的に品切れになっていたので私が買ったのが最後だったっぽい。eBayでも売っている。
Lマウント対応だと他に選択肢はないのでこれを買うしかないが、正直いって出来はよくない。すくなくとも2万円近い値段に見合うとは思えない。レンズを外すレバーが思うように動かず、しばらくガチャガチャやらないとレンズが外せない(適当にやっていたら少しレバーが曲がった……)。
ちなみに、レンズをボディから外した状態だと絞りリングの指標がずれるがこれは仕様らしい。レンズを装着すると正しい位置にくる。壊れたやつをつかまされたのかと思って焦った。
そしてこのマウントは(レンジファインダーだとあたりまえなのか?)フォーカスリングがマウントアダプタにある。その関係かフォーカスリングの感触もあまりよろしくない。しっとり重い感触ではあるのだが、途中でメカのガタつきがあるのを感じる。このあたりも含めて古い機械を操作しているという感触がすごく、これを楽しむ必要がある。
そんなこんなで(何番煎じだという話だが)Planar 45mmをSigma fpにつけて散歩をしてきたので作例を上げておく。以下すべてSigma fpで撮ったRAWをLightroomでAdobe landscapeプロファイルでストレートに現像したものだ(露出補正のみしてある)。撮影した絞りは忘れたが、2~5.6が大半だと思う。fpでウォームゴールドなりなんなりにすると簡単にそれっぽさが出てしまうのであえてLightroomで何もせず現像した。元サイズの画像(6000x4000)はGoogle Photoに上げておいた。
ピント面はけっこうシャープだがその前後のところがオールドレンズらしく若干ふわっとしている。
背景に細い枝があるようなところだとうるさく感じられるような気もする。
確かこれはF5.6くらいまで絞っていたと思うが、そうすると周辺まで均一に写る。
切り株表面の質感の描写、満点じゃないでしょうか。
若干水面に色がついているような(軸上色収差?)。
こちらも軽く絞って遠景。特に破綻なく全体が描写されていてすごい。
背景がうるさいような感じもあるがピントを合わせた花の描写はグッド。
アウトフォーカス~背景の描写とあいまって、こういうところでSigma fpのウォームゴールドを使うとインスタントエモという感じになる(上の写真はRAWから現像なのでカラーモードを反映していないが、下は撮って出し)。
安易にウォームゴールドに頼ったらこうなる pic.twitter.com/7lQPKtLF6A
— 会議 (@naotaco) March 20, 2023
これくらいぼけてるとあまり背景のうるささは気にならないか。ただ最短撮影距離が50cmと(現代の感覚からすると)寄れないのでガッと寄って全てをぼかすみたいな使い方はできない。
T* コーティングの実力を見せてもらいましょう(関係あるのか知らんが)ということで少しいじめてみた。画角に太陽を入れると派手なゴーストが出る。この濃い緑のゴーストはモダンなレンズでは見ない色だと思う。なかなか面白い。
前述のように寄れないので少し撮りづらいが、とても素直で扱いやすい。
総じて扱いづらくて困るということがあんまりなく、撮りやすい良いレンズだと思う。私のようなオールドレンズ初心者には良さそう。もちろん現代のレンズと比較するとピント面のシャープさとか一貫性のあるボケとかの点で劣る点はあるが、味がある範囲に十分収まっている。30年近く前であることを考えると当時としては相当優秀なレンズだったのだろうと思われる。
ちなみにこのシリーズだとContax Gの90mmが14000円くらいで手に入るようなので、これも悩むところだ。
]]>