日本海側を通って青森に行ってきた
日本海側を通って青森に行きたくなったので、行ってきた。
キュンパスPermalink
旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス(通称:キュンパス)というのがある。平日限定で2週間前から予約する必要があるが、1日1万円で新幹線を含めてJR東日本1の列車に乗り放題になるというアレである。指定席も2回使える。とにかく安いのでオタクが群がっており、電車が混むので迷惑になっている(個人の感想です)春の風物詩だ。
去年はなんとなく秋田に行ってきたのだが、今年はちゃんと計画的にもっとたくさん電車に乗ってやろうという気概をもって計画を立てた。今回は始発の新幹線で東京から新潟に行き、特急いなほで秋田へ向かい、特急スーパーつがるで青森に行く。ラストは新幹線で東京へ帰ってくるというものだ。12時間くらい電車に乗っているような気がするが、本当に大丈夫なのだろうか。途中ChatGPTのDeep researchに調べさせてもみたが、JR東日本の特急電車のシンプルさ(婉曲表現)もあり、漠然と考えていたこの旅程以外はなかった。べつにたくさん電車に乗りたいというわけではないのだが、観光をするというより本を読みたかったのだ。
本Permalink
今回のお供は、サフラジェットの病院(ウェンディ・ムーア、勝田さよ訳)である。本当に面白かった。新潟までは寝ていたが、いなほの途中から読み始め、最後は大宮あたりで読了した。長さもちょうどよく、素晴らしい休日の彩りとなった。この本を持ちだして大正解。
旅程Permalink
新幹線は6時から24時までが運行時間で、新潟行きの始発は6時8分のとき301号だ。始発とは言わないが相当早い電車で東京に着き、適当に駅弁を調達した。なんせこのあとわずかな乗り換え時間を除いて5時間半くらい電車の中なので、おおむね2食程度買い込む必要があったのである。
朝食に鯖寿司を食べ、その後ずっと寝ていた。鯖の棒寿司は手軽に食べられてうまいので大変気に入っているのだが、以前出張のときに駅のコンコースに立ちながら鯖寿司を片手に持って囓って食べきったところ同僚にドン引きされて以来おとなしく座って食べることにしている。おにぎりの上位互換だと信じていたのだが。
新潟では新幹線から特急(いなほ)に対面乗り換えができる。乗り換えの人は左側、それ以外の人は右側から降りるようにアナウンスが車内で繰り返し流れていたのだが、このアナウンスは日本語のみだった。最近はとってつけたように英語でご利用ありがとうございましたみたいな挨拶だけ放送するパターンが多いように思うが、それより乗り換えの情報の方がはるかに重要なんじゃないのかという気はする。
そして対面乗り換えとはいうものの、新幹線と在来線のホームは壁で仕切られていて、間に2カ所くらいだけある乗り換え改札を通る必要があるため微妙に歩かなくてはならない。確かに階下に降りるよりは近いが……。ちなみに改札には乗車券(キュンパス)、新幹線特急券、在来線特急券を全部入れると良い感じに乗車券と在来線特急券が出てくる。すごい。
キュンパス利用者は似たようなことを考えているようで、とき→いなほの乗り換えは自由席の争奪戦になるという噂。さらにいなほのグリーン車は異様に広いという話も聞いていたので今回はグリーン車を張り込んだ。約6000円なり。結論としてはそこまで混んでいなかったようで空席もあったらしいが、進行方向左側の窓際の、しかも恐ろしく広いグリーン車の旅は素晴らしく実質無料といえる。
とはいえ車体は古く、トイレなんかはなかなか年季が入っていた。そういえば学生の頃(2008年頃)に一度新潟から特急で某所に行ったことがあるはずで、いま調べると485系だったと思われる。これより古い電車だったのか……。そう言われるとたしかドアからデッキに入るところに段差があって、そこに座り込んでいたような記憶がある(満席だったため)。平成も遠くなりにけり。
道中は日本海の素晴らしい景色(といいながら写真はない。なんで?)が楽しめる。以前行った笹川流れも見え、そのとき撮影していた岩をみてテンションが上がった。
秋田に到着。よれよれの701系がいた。大丈夫なのか。
スーパーつがるまで40分ばかり時間があるので、駅ビルで適当に買い物をする。弁当とお菓子(後述)とスタバ。
かわいいねぷたに別れを告げて青森へ。
しかし知らん名前すぎる。
スーパーがつく列車というのも昨今あまりなく、どことなく平成のかおりがする。今回はグリーン車も4列シートで特に目立つものではないっぽかったので、普通指定席をとった。チケットレスで1500円くらい。同じような特急を乗り継いでいるのにいなほはチケットレス非対応、つがるは対応である。わけわからん。。こちらも自由席は若干の空きがあるくらいで、指定席も同様であった。
秋田で買った焼き鳥弁当を食べる。うまい。
引き続きイチゴわらびもちを食べる。イチゴをわらび餅で包んだもので、イチゴをわらび餅で包んだ味がした。うまい。
列車が海沿いから内陸に入ってくると、3月半ばになるのに一面の雪景色が広がっていた。さすが豪雪地帯。
イチゴどら焼きを食べる。イチゴをどら焼きに突っ込んだ味がした。うまい。
といっていたら青森駅についた。いなほでもそうだったが、各駅到着時の乗り換え案内が「○○線は時間が空いてしまいます」とかなんとか言いながら3,4時間後の列車をしばしば案内しており迫力があった。どう考えても無理がある。
青森駅はとても広く、往年の活気を窺わせる。
目的地(?)の八甲田丸へ向かう。不思議なことに始発の新幹線で出発したのに到着は15時を過ぎていた。
貨車を積み込む可動橋がすごい。
階段に貼ってある掲示に思いっきりパースがきいておりトリックアートのよう。そうはならんやろ。
当時の生活様式ごと展示してあっておもしろい。
当時のグリーン船室のいす。沈み込むような座り心地が昔風。
船長もいる。
通信室。
車両甲板。
見学を終え、夕飯まで多少時間があったので行けるところまで行ってみようと津軽線に乗車。蟹田というところまで行けるのだが、そこから先は不通となっていて、このまま廃線となるらしい。あ、電化されてるんだ、という感想。
青森→蟹田は中高生で混み合っていた。蟹田で折り返し。
帰りはガラガラ。のんびり本を読む。
地元の食堂で夕食をとる。うまい。
そして新青森から最終のはやぶさで帰京。キュンパスのせいなのかなんなのか、車内は満席。放送でも繰り返し満席と案内をしていた。ちなみにこのときははやぶさ・こまちの連結がはずれた事故の直後であり、こまちの連結を行っていなかった。このため盛岡で乗り換えを待ってから発車となり、9分遅れとなった。が、途中がんばって回復したらしく3分遅れで東京に着いた。
着いたら全ての新幹線が終わっていた。どうせなら2359くらいに着くはやぶさを運行してくれたらいいのに。
まとめPermalink
たのしかった。計画的に列車を手配して本を読み、行ったことのないところに行けたので満点です。
今回の旅程のきっぷを全て(乗車券も)別々に購入した場合は45890円かかったらしいが、キュンパスのおかげで18190円で済んだ。来年存続してくれるのか不安になるレベル。
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ほか、第三セクターなどを含むあれやこれやも乗れる ↩