プライベートでいろいろなことがあり、仕事でもロクなことがなく、とにかく疲れたので長野に行ってきた。


端緒

また1日あいたので、出かけることにした。関東がクソ暑いなかでも千葉の太平洋側は涼しいという話を見たので銚子などを候補にしつつ、ゆるキャン△のアレで身延線も乗ってみたいねえと思いながらJR東海の路線図を眺めていたら「善光寺」という駅があった。なるほどこれはかの有名な善光寺の最寄り駅なのだなと思って調べたところ全くそのようなことはなく、身延線の善光寺駅は山梨にある甲斐善光寺の最寄り駅であるとのこと。

そんなこんなで善光寺参りだという気分になったので、急転直下長野に行くことにした次第。

北陸新幹線のおかげで東京から長野は1.5時間で着く。直線距離では諏訪湖の方がよっぽど東京に近いのでそちらもありだなと思ったが、諏訪湖の方には新幹線は通っておらず在来線特急を使うしかないためそちらの方がよほど時間がかかる。あらためて新幹線様々である。

善光寺のほかに見所はないかと調べると、戸隠神社というのが山奥にあるらしい。バスなどもあるようだが本数が少なく、現実的にはレンタカーで行くしかないようだ。長野駅から40~50分くらいなので、車さえあれば行って帰ってくることは難しくなさそう。いつも通りタイムズのカーシェアを調べたところお盆だからか空きがほとんどなく、キャンセル待ちをして当日の行きの新幹線でなんとか車を確保することができた。計画性がないからそういうことになる。

今回は景勝地というほどのところには行かない予定だし、車も借りられなさそう(出発前夜の段階ではそのように思っていた)だからカメラは身軽にSigma fpひとつで行くことにした。お供は35mm F2.0 Contemporaryである。行きの新幹線の中で車をとれたとき、これについては多少後悔した。もともとは2台持ちで、α7ivに14-24をつけていくつもりだったからだ。チャンスを物にできるのは準備をしていた人だけなんだよな。

蕎麦を食べて善光寺へ

今回ものんびりグリーン車を使うことにした。高ストレスなので。ちょうど前日に入手した真保裕一の「暗闇のアリア」の文庫本も持って、完璧な旅路である。コーヒーを飲みながら本を読んでいたらあっという間に長野駅に着いた。

まず何はともあれ蕎麦である。Google mapで調べて目星を付けていた蕎麦屋へ向かう。

天ざる

蕎麦もコシが強く、天ぷらも完璧な揚げ具合で最高。パーフェクトな出だし。そしてメインの目的である善光寺へ。

しかしこの蕎麦屋に寄ってから善光寺へ行くとなると電車の駅1からは離れるため、結局善光寺へ長野駅からすべて徒歩で行くことになった。まっすぐ行くと2kmくらいなのだが、蕎麦屋に寄ったり道を間違えたり(FlashAirが全くつながらず、歩きながらあれこれ試行錯誤していたら道を思いっきり間違えていた)していたらえらい時間がかかった。バカすぎる。

駅周辺~蕎麦屋のあたりはぜんぜん人出が多いとは思わなかったが、表参道を歩いて行くとけっこう観光客がみられて道沿いの蕎麦屋もかなり混んでいた。外れた場所で食べて正解だったな。

そして善光寺へ。

善光寺本堂とその周辺

本堂がかなり大きくなかなか迫力がある。

私は信心も何も無く、牛に引かれて善光寺参りならぬ路線図をみて善光寺参りという程度のものなので、軽くお参りをしてすぐ満足してしまう。

ここで車を借りて戸隠神社へ向かうため、いったん長野駅まで戻る。最初から車を借りられていればよかったのだが、あいていたのが1時半からだったから仕方がない。善光寺から長野駅までは電車で、と気楽に思っていたのだが、善光寺を出て善光寺下駅に行ってみると次の電車は45分後であった。そこまで気が長くはないので結局また歩いて長野駅に戻ることに。長野駅近くの駐車場に着いた時にはこの日の歩数がすでに1万歩を超えていた。何をしに来たんだ俺は。

戸隠神社へ

ともあれ車も手に入ったので、戸隠神社へ向かう。Google mapだと40分程度で着くということになっている。山道なので慣れていない人は気をつけましょうというような話をみたが、こちとらスノーボードや天体観測で山道には慣れている(慢心)し、どうということはあるまい。

結論から言うと、まあまあ真顔で運転する羽目になった。概ね普通の道なのだが一カ所、七曲りという箇所があり、謎の屋根付きの連続急斜面ヘアピンカーブとなっていた。道だけとると富士山登山口近辺なんかにもよくあるヘアピンカーブの連続なのだが、斜度がけっこうある上に屋根があり圧迫感がすごくて暗い。交通量はそれなりにあるので対向車もつねに来るのでものすごい緊張感。

そんなこんなで退屈することなく45分くらい運転したら戸隠神社の奥社に到着。といっても道沿いの駐車場から2kmくらい山道を歩かないと奥社自体にはたどり着かないらしい。

公式っぽい駐車場は満車と表示されていて、少し離れた別のところに停めた。1回500円(現金のみ)だったので1万円札を出したところ断られた(土産物屋でくずして出庫時に支払いました)。

しかし車に乗っている時からわかるくらいクソでかい羽虫が飛び回っていてつらい。夏の山はこれだから……。

参道入り口の木製の鳥居

とりあえず参道を歩いて行くと、1kmくらいで随神門という門がある。

赤く塗られた木製の門。屋根の上にはびっしりと植物が生えている

屋根の上に草がびっしり生えていて謎の迫力がある。

この門を抜けると、有名な杉並木が続く。

杉並木

木の「うろ」にしめ縄と紙垂(しで)がかかっている

少し道を逸れると小川などもあり、気分は登山である。

森の中の小川

このあたりまで来ると虫が素肌にがんがん寄ってくる。完全にノーガード半袖短パンだったのでめちゃくちゃ虫が脚に止まって最悪だった。私のようなノーガードの人たちはタオルで虫を払いながら歩いているありさま。

時間が限られていたので早足で歩いていたのだが、ある程度いくと道が階段になって人が詰まっていた。時間がかかりそうなのと、足が止まると虫にめちゃくちゃ襲われそうだったので(べつに刺されたりはしなかったが)、ここで引き返した。いつか空いていてもう少し涼しい時期にリベンジしたい。

小さなほこらとしめ縄と石碑

車に戻り、長野駅へ戻る。帰りもほとんど同じ道だったので七曲りを下って市街地へ。長野駅周辺で少し渋滞したが、大きな問題はなく1時間弱で駐車場に帰着。

帰路

とにかく移動を続けていたせいで休憩もほとんどしておらず、非常に腹が減ったのでまた蕎麦を食べる。野菜天ざる。

天ざる。麺が多い。

麺のコシもさることながら量が多くてグッド(デブか?)。天ぷらはキノコ系が多くてすばらしい。

おやき界のベストソリューションであるところのいろは堂のおやきを調達し、目に付いたビールを買って新幹線に。こういうときに、買ってから飲むまでの30分くらいの間ビールを保冷する方法はないものか。

おやきとビールが新幹線のテーブルに乗っている

(新幹線で食べたのはいろは堂のではない、別のやつ。やはりいろは堂が一番うまい)

ビールとおやきと本を堪能しながらのんびりしていたらあっという間に東京駅に着いていた。

善光寺への往復がたたり、戸隠神社でもたくさん歩いたので、家に着いたときには歩数が21000歩になっていた。さすがに疲れた。

まあしかし、行ったことのない場所に行くことからしか摂れない栄養素というのはやはりあるな。1日だけでもとてもリフレッシュできる。今度はどこに行こうかなあ。

  1. これはどうでもいい情報だが、私はけっこうバスが嫌いなので2kmくらいまでならバスより歩きを選んでしまう傾向がある。