チェコの南東部、モラヴィアという地域にミクロフ(Mikulov)という街がある。最近どうも景色がきれいということで有名になりつつあるっぽいので、これ幸いと訪ねることにしたのであった。

ミクロフ、プラハ、ブジェツラフの位置 ©2016 Google
ミクロフ遠景

モラヴィア地方はワインの名産地でもあるとのことで、景色もすばらしいとなるとますます行くしかない。ただひとつ、問題は地球の歩き方に載っていないことである。地上にそんな街あるの……?

インターネットを駆使して観光に挑み、無事満喫して(2泊しかしてないけど)帰ってきたので一通りのことを書いておく。

旅程

今回はドゥブロブニクからウィーンを経由し、ミクロフを訪ねてから最後にプラハへ向かうという(いつも通り)無理のあるプランである。ドゥブロブニクおよびプラハの滞在については(これらも素晴らしかったが)本稿では割愛して、ウィーンからの移動とミクロフでの観光、プラハへの移動について主に述べる。途中、ブジェツラフでSIMを買ったがそのあたりは下のリンクから別記事を参照のこと。

  • 1日目
  • 2日目
    • 5時頃: 起床、丘に登って写真撮影
    • 観光
    • 昼食
    • ワイン
    • 観光
    • 夕食
  • 3日目
    • チェックアウト、ミクロフ駅へ
    • Břeclavで乗り換え、プラハへ

情報収集

地球の歩き方に代わるものとして世界的に有名なLonely planetがあり、これのチェコ版にはミクロフの項がある。Chaptersから選ぶとミクロフの載っている”Best of Moravia”という章だけを買うことができる。が、章ごとの販売はPDFのみである。本全体で買うとePubやMobiも選べるので、今回はmobiにしてKindleに入れておいた。ミクロフまでの行き方や主な観光スポット、ホテルなどが紹介されているが、地図が1枚、ホテル・レストラン・観光場所が5カ所程度ずつ載っているというだけなのであまり期待してはいけない。暇つぶしを兼ねて買うという感じ。最悪Lonely planetで抑えるとして、基本的には適当にぐぐって調べる感じで。

季節

11月に行ったが、日は短いし城は週3日しかやってないし、あまり活気がないし、寒い時期に行くのはやめた方がよさそう。ホテルの人もオフシーズンって言ってたし。とは言っても、そのおかげで誰もいない丘から写真を撮り放題だったわけだが。

ミクロフへの行き方

電車かバスで行ける。

電車の場合はブジェツラフ(Břeclav)で乗り換えが必要(Znojmoで乗り換えでもいいらしいが、時間がかかりそう)。

ブジェツラフ駅舎
ブジェツラフ駅のやつ

ブジェツラフまではプラハ・ブルノ方面から、またウィーン方面からECとかいう急行電車みたいなやつで行ける。プラハ本駅からブジェツラフまで3時間程度、ウィーン中央駅(Wien Hbf.)からブジェツラフまでは1時間程度。1時間に1本くらいある。最初Wien mitteから乗れると勘違いしていたが、ウィーンで切符を買うときにそれは無理だぞと教えてもらったので早めに中央駅に移動できた。Webで電車を調べるときは似たような駅名に気をつけましょう。

ブジェツラフからミクロフまではローカル線で30分程度。これも1時間に1本程度はある。完全に地元の人しか乗っていないのでたのしい。

 
 

よくわからないが、Mikulov na Moravěというのが正式名称らしい。駅舎にもよく見ると書いてある。

駅から中心部までは1km程度あるが、舗装路なのでスーツケースでもどうということはない。タクシー会社もあるようだが、駅前に常時待機している感じではない。駅の周囲は街灯が少なく暗い(というかミクロフの街は中心部以外かなり暗い)ので、心配なら明るいうちに到着するようにしておきましょう。

Lonely planetはバスで行くことを勧めていた(ブルノから1.5時間程度だそうだ)が、最大手?のREGIOJETはミクロフに運行していない。バスは乗り場とかよくわからないし電車の方が安心な感じがしてつい電車にしてしまう。

見どころ

ミクロフ城

ミクロフ城の入り口から
庭園から見上げる

街の真ん中にある城。かっこいい。中の見学ツアーがあるが、やっている曜日と時間が限られており注意が必要。10, 11月は金曜から日曜しかやっていない(私が訪ねた日ももちろん閉まっていた)。さらに、12月から3月はやっていない。建物の中には入れないが、庭園や外周の通路は好きに見て回ることができる。

丘(Holy hill, Svatý kopeček)

夜明け前
朝日のミクロフ

ミクロフで一番よかったのがここ。地図で一番右のピンのあたりに教会があり、その近くから街の全景が眺められる。この記事冒頭の遠景もここから撮影した。夜景も明け方の景色も、日中の景色もすばらしい。

撮影風景
丘から見下ろす

ここに行くには赤っぽいピンのところから登山道のような道を1kmほど上っていく必要がある。歩けるよう整備されているが、ぬかるんでいる箇所や湿った岩場もある普通の登山道なので足下に注意。青いマークが登山道の印になっている。

上のように夜景や日の出の風景を撮るためには真夜中、真っ暗な中を登っていく必要があるが、当然街灯などない。あまつさえ道中にキリスト教にまつわる像が多数立っており異常な怖さがある。。。闇の中を一人で登っているとつらい感じになってくるのでスマホで適当に音楽をかけていきましょう。ライトを忘れずに。冬なので虫がいなくて助かった。

草原

また、このあたりは一面草原になっているので、方向によってはまた別の美しい景色も見られる。草原を見に行くツアーもあるとかなんとか。

その他

広場から城の入り口の方角
南側から広場を望む

中央の広場のまわりはレストラン以外にも小さいスーパー(coop)、ドラッグストアやシナゴーグ、ケバブ屋(一番遅くまで食事を提供している場所だった。。)がある。

北の方の丘を登ると昔の見張り塔?(Kozí hrádek)がある。Lonely planetによると、上に旗が立っているときは開いているとのことだが、旗が見えなかったので行くことはなかった。ここからの景色もよさそうだったので、やや残念。

食べる・飲む

8時くらいまで営業してるレストランが多いけど、食事は早くに提供終了していて最後の方はドリンクのみという店が大半なので気をつけられたし。冬だけなのかな……。派手な看板などがあまり出ていないのもあり、ご飯どころを探すのがややたいへん。夏は広場のまわりにテラスで食事が出来るような店もあったりするようだ。

Hotel Templ

http://www.templ.cz/en/gastronomy

ホテル併設のレストランがとても美味しい。

おいしい肉

Sojka & spol.

http://www.sojkaaspol.cz/

ラムのバーガーを食べたが最高においしかった。オーガニックな感じの食料品屋の中の階段から2階にあがったところにある。朝9時から夜8時までって書いてあるけど閉まるの早かったような…?

ラムのバーガー

Dobrý ročník

http://www.dobryrocnik.eu/

ワインバー。チーズやオリーブなどのつまみ(おいしい)はあるが、食事はやっていない。地元モラヴィア地方のワインを多数飲むことができる。白ワインが多くて、甘口から辛口まで幅広い。ほとんどグラスで飲めるのでいろいろ試して、ボトルを買って帰ることもできる。つい何本も買ってしまって危険である。英語メニューはないので、落ち着いてGoogle先生と相談しながら注文するとよい。

まとめ

小さくて素敵な街なので是非訪れることをお勧めする。プラハやチェスキークルムロフのように観光地っぽくないので、静かで落ち着いているのも新鮮でよい。もっとのんびり滞在できればまわりのワイナリーなどに足を伸ばすことができたと思うので、無限に時間がほしい……。

他方、街の外れなんかは空き家も目立っていてちょっと心配になってくる。読んだひとは是非ミクロフを訪ねてお金を落としてきてくれ、たのむ。

こういう人にお勧め:

  • あまり観光地化されてないところに行きたい
  • 草原が見たい
  • ワインがのみたい
  • きれいな景色が見たい