チェコを旅行中に現金を盗まれた顛末
去年11月にチェコを旅行していたところ、盗難にあった。メモがてらまとめておく。
帰国2日前
前日にプラハに到着していて、帰国便の朝まで連泊の予定でチェックイン済み。
帰国2日前のこの日は、朝から日帰りでバスでチェスキークルムロフに出発。
とりあえず美しい風景をどうぞ。
で、その日の夜にホテルに帰着。疲れていたのですぐ寝る。
帰国1日前
朝、プラハ市内観光に出るべく準備をしていたところ、セーフティボックスの中から現金が全て盗まれていることを発見する。
オッ セーフティボックスから現金ぜんぶ盗まれたぞ
— 肉と鍋 @技術書典 か-36 (@naotaco) November 25, 2016
いろいろ確認するが被害は現金のみ。他に交換レンズとかKindleとかパスポートとかクレジットカードとか入っていたが。終盤だし、随時現金はATMから降ろしたりカードを使ったりするようにしていたし、分散して持つようにしていたというのもあり、各国通貨をあわせて400ユーロ程度の被害だった。旅行の続行が危ぶまれるような類のものでもないということは即座にわかったが、現金は保険じゃ補償されないし頭にきてフロントに文句を言いに行った。
ぼく「現金がセーフティボックスの中から全て盗まれたようなのだが」(以下、クソのような英語)
スタッフ「それは申し訳ない、すぐマネージャを呼ぶから」
ぼく「現金がry」
支配人っぽい人「それは申し訳ない、すぐ警察を呼ぶから」
ぼく「やかましいわ、そもそもセキュリティはどうなってんだよ」
だんだんヒートアップしてきて支配人が言っていることも半分くらいしか理解できなかったのだが、ホテルに過失があれば補償はするし、そのためにも警察を呼んで事情を確認する必要がある、みたいなことを言っていたような気がする。他の部屋も同じ日に被害があったということがわかっていて、このようなことは前例がないとのこと。私が話す英語もクソなら聞く能力の方も大概なので、かなり怪しい。
とりあえず見る予定のところを見られなくなったら嫌なので、警察にいくのは夜にしてもらい、落ち着いて観光をすることに。
良いところなんですよ、プラハ。だいすき。
現場検証→調書作成
1日観光してホテルに7時頃戻ってきて、警察を呼んでもらう。ほどなく2名のいかつい防弾チョッキのポリスメンが到着。ポリスメンの英語はとても怪しく、ホテルのスタッフが通訳をしてくれた。彼らはスマホで写真を撮りつつ現場検証をして、お決まりの質問をいくつかしてきた。最後に確認したのはいつか、とか、何が入っていたのか、とか。
書類を作るとのことで、一通りの現場検証が終わったら警察署に連れて行かれた(このことは事前にホテルのスタッフから聞いており、特にびびらずに済んだ(ホテルのスタッフ、ずいぶん慣れてるな?))。日本でもパトカーになんて乗ったことないのだが、夜中にチェコのパトカーに乗せられて市内の警察署へ。
さすがに取調室(そんなのあるのか知らんが)に入れられるようなことはなく、人気の無いロビーでややフレンドリーな英語の話せるおじさんポリスマンに事情を聞かれる。すると紙を渡され、ここに起きたこと全て英語で書けと言われたので、くどくどと冗長かつシンプルにブロークンな英語で説明を丁寧に書いた。おじさんに提出するとgood jobと言われ、その書類を持って引っ込んでいった。言われるがままに30分程度待っていると、書類が出来たからサインをしろと言われてチェコ語の書類数ページにサインをさせられる。まったくわからない、俺達は雰囲気で調書にサインしている。これで手続きは終わりだ、協力ありがとうみたいなことを言われて警官と握手する。あれ、なんか良いことしたっぽい?
渡された書類は調書(供述内容)というより、被害者保護に関する一般的な書類のようだった。一応ぼかしたけど、それはどこに何が書いてあるかまったくわからないから。(俺の名前と生年月日くらいは書いてあった)。
渡された書類 |
終わったから帰っていいよ、みたいなことを言われて警察署から出たのは夜の11時過ぎくらいだったか。帰っていいよと言われてもどこだよここ、と思いつつGoogle mapを見ながらホテルまで歩いて帰った。1kmくらいは離れていた気がする。
帰国日(11/26)
チェックアウトのとき、クリーニング代を無料にしてくれた。50ユーロくらいだったかな。頭の中のアメリカ人が「それは責任を認めているということか、被害額を補償しろ」などと言いたがるが押しとどめる。
半日プラハ観光ののち帰国。
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1ヶ月後
Booking.comのレビューにぼろくそ書いたりなんだりしつつ、金が盗まれたことなどすっかり忘れて生活していたところにホテルからメールが。被害額の補償をするから口座番号を教えろとのこと。まじ?と思いつつウキウキで情報を送る。余談だが、ヨーロッパではIBANとBICという2つのIDのようなもので銀行と口座番号を特定するらしい。日本でIBANは使われていないので、BICを調べて伝えて、あとは支店・住所・口座番号などを英語で書けばOKだった。
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1ヶ月後
ふと口座を見たらお金が振り込まれていたではないか。まじか。やるじゃん。ホテルのマネージャに御礼のメールをして、Booking.comのレビューを書き直した(現金)。どうも彼の説明によると、犯罪組織が複数のホテルで多数の部屋に忍び込んで犯行に及んだらしい。ホテルはセキュリティシステムを一新したとのこと。
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1ヶ月後
謎の書き留めが届いた。
届いた書類 |
なんかかっこいい。
すべてチェコ語でお手上げだったので内容をGoogle翻訳に訪ねたところ、どうやら警察から捜査状況の連絡的なものが来たらしい。なんと被害者3名の名前と被害額、住所が書いてある(べんり!)。がんばって読んでいくと、どうも犯人は捕まっていないが被害者の救済は(ホテルの保険により)されたから捜査は中断する、という内容の通告であるらしい。正直それ自体はマジでどうでもいいが、そうかそうかという感じ。わざわざ送ってくれるなんてしっかりしてるな、というかこれよく届いたな。住所一部欠落してるし郵便番号もないのに。ありがとう日本郵便。
終わった今となっては良い経験になったし損失も皆無だし観光への影響もほぼ無かったし、良い思い出である(現金)。プラハは大好きだからまたチャンスがあれば行きたいし、同じホテルに泊まってもいいと思っている(その他のサービスは最高であった)が、このエントリを読んだ人がポジティブに思うかはわからないので、名前は出さないでおく。