デジタル簡易無線を導入した
つよつよトランシーバーを導入した。楽しい。
デジタル簡易無線とは
トランシーバーの区分のひとつで、比較的簡単な手続きで強い電波が出せ、比較的長距離の通信が可能なもの。
注意:本項は素人が適当に書いているものです。法律や規則の解釈については各自の判断で行ってください。また内容を参考にする際は自己責任でお願いします。
一般人がその辺で売っているトランシーバーを買って使った場合、まず間違いなく特定小電力トランシーバー(特小、無線電話用特定小電力無線局)というやつである。これは一切手続き不要で誰でも使えるかわりに電波の出力が0.01Wに制限されているため、あまり長距離の通信はできない。以前遊んでいたやつもこれである。特小でも楽しいのだが、スキー場で使うとほとんど見通しでしか通信ができない。また、建物で使うと壁を越えることがほとんどできない。そこでもっと強いやつを使わせてくれとなる。
特小を含め、日本の制度で個人が使える選択肢としては次のようなものがある。
- 特定小電力トランシーバー(特小)
- デジタル小電力コミュニティ無線(デジコミ)
- デジタル簡易無線(登録局)(デジ簡)
なお、このほかにデジタル簡易無線の免許局というのもあるが、個人では使えず、また遊び(行政っぽい用語でいうところのレジャー)にも使えないため除外する。
デジタル小電力コミュニティ無線というのは0.5Wの出力が許可されていて、特小同様に手続きが不要である。便利そうではあるがなぜか(いろいろ経緯があるらしいが)GPSと無線機がセットになっていて、送信時に送信者の場所が必ず通知される仕組みになっているらしい。身内でスキーをするのには便利とも言えるが、いまひとつ何をさせたいのかよくわからない規格のように思われる。あまり普及しておらず、無線機もGPSが必要なためかべつにそこまで安くない(3万円前後)。また利用する周波数は150MHz近辺なので特小(400MHzくらい)やデジタル簡易無線(350MHzくらい)と比べると山で遠くまで飛びそう(回り込みそう)であるが、反面必要なアンテナの長さも波長のぶんだけ長いため、普通に携帯できるアンテナの長さ(15cmとか)に揃えて比較した場合デジタル簡易無線の方が遠くまで飛ぶという話もあるとかないとか。
そこでデジタル簡易無線である。なんやかんや申請が必要なので若干面倒だし、無線機も3万円以上して重いが、5Wという出力は魅力的。また業務用としてかなり普及しているため、アクセサリーを含め製品が数多く発売されている。登録局数は右肩上がりで世の中ではかなり広く使われているらしい。全然知らなかった。
人気の反面、チャンネルが混み合っているという問題がある。都市部だと1~30chは業務用に使っているユーザが多数いて、チャンネルがぶつからないよう気を遣う場面が多い。アウトドアならほとんどかぶらないかもしれないが、とはいえ若干心配になる。しかし2023年に使えるチャンネルが大幅に増えて82chまで使えるようになった(これを増波という)。以前の30ch対応機種は82chに対応しない1ため、圧倒的多数を占める業務用のユーザはほとんどが30chまでを使っているように見える。適当にチャンネルスキャンを何度かかけているが、31ch以上が引っかかったことは今まで一度もない。いまから新規で導入する場合は82ch対応機種を買えるので、チャンネルがかぶる心配はかなり少なくなる。この意味でも扱いやすい。
またデジタル簡易無線は免許不要であるが、「登録」が必要である。これはぐぐればいくらでも出てくるので割愛するが、総務省に届け出をする必要がある(すべてオンラインで可能)。従って、登録していない人(つまり、家族や友人)に何もせず使わせることはできないのだが、免許人・登録人以外の者による無線局の運用の届出を出すことでトランシーバーを貸し出すことができる。レンタル業者もある。この届出は「自己以外の者に登録局を運用させたとき遅滞なく2」行えばよいとされているため、少なくとも事後でよい。また運用の期間も上限はなさそうに見える。この届出もオンラインで可能である。これを出せば仲間内で運用することができる。
ぐだぐだ書いたが、実際のところは一緒にスキーに行く友人がデジタル簡易無線を買っていたので同じやつが欲しくなったというだけの話である。
用語
全然わからなかった用語を書いておく。素人が素人向けに書いています。
- 無線局:対行政ではトランシーバーのこと。2個あったら、2局。運用している人間も含むことがありそう。
- 開設:無線局を使える状態にすること。トランシーバーを買ってきて電源を入れること。
- 業務局:いわゆる仕事で使っている人達のことを、無線界隈の人がこう呼んでいる
- ライセンスフリー:免許が不要という意味で、特小、デジタル簡易無線、デジタル小電力コミュニティ無線あたりの総称
デジタル簡易無線の情報収集が難しい話
この記事を書いている理由にもつながるのだが、どうもちょうどよい情報がなかなか出てこない。デジ簡を使っているユーザは3種類いそうに思える:
- お仕事(業務)
- スキー等の遊び(レジャー)
- 無線趣味(ホビー?)
このうち大多数を占める1の業務ユーザは情報をわざわざブログに書いたりはしない(まあ現代においてはどのような種類の人間もブログを書いたりはしないかもしれない)し、お仕事むけの情報はあまり参考にならないだろう。調べていると出てくるのは3の人達による発信が多く、2を見かけることがほとんどない。ここで言う無線趣味とはアマチュア無線と似たような使い方(たぶん)で、無線そのものを趣味としている人のことである。彼らは無線に詳しく、長距離の通信をすることを目的としており、通信のために環境を選んでいる節がある。従って彼らの情報を真に受けるわけにはいかない。
その最たるものが通信距離で「特小でも数km先まで通話が可能」みたいな話はよく見かけるのだが、素人が特小を適当に使って数km先で通話をするのは絶対に不可能である。このような長距離の通信を特小でするには、少なくともロングアンテナの機種を適切な持ち方(体から離し、アンテナを垂直に)で高く持ち上げ、見通しの環境で通話をする、くらいはする必要があるように思われる。街中、あるいは建物の中でポケットに入れたままのトランシーバーで通話をするなら、特小だと数百mどころか100m以下が関の山である。
これはデジタル簡易無線でもそうで、30km以上離れていても通話が可能だという話はよく見るが、たいていすごい長さのアンテナを使って山の上で話しているときの話である。後述するが、素人が持ち運べるくらいのアンテナをつけてポケットに入れて市街地で通話した場合、良くて1km、ビルの影ならそれ以下というのが試した範囲での感覚であった。特小と比べるとだいぶ遠くまで飛ぶが、出力の比である500倍3遠くまで飛ぶのかというとそのようなことは全くない。スキー場ならどうなのかというのが気になるところだが、それを確認するには雪が降るのを待つ必要がある。広めのスキー場で屋外ならどこでも使えるくらいを期待しているが、どうだろうか。片方がリフトに乗っていれば楽勝ではないかとも思うが。
また、自分の無線機を持っている人同士で会話するのが当たり前だからか、無線機をレンタルするときのオンラインの手続きについてもあまり書いている人がいない。事後でもよいので免許人・登録人以外の者による無線局の運用の届出をすればよい、はず。オンラインで申請可能で便利。
そんなこんなで一般目線で書いたのがこの記事である。
どれを買うのか
デジタル簡易無線のメーカーは5社くらいあるらしい:
- アイコム
- ケンウッド
- 八重洲無線(含 スタンダード)
- アルインコ
- FRC
アイコムは無難なのだろうがやや高い(5Wの機種で(以降全て同じ)3.5万円~)。ケンウッドもよさそうだが同様に高い。逆にFRCは妙に安い(2.5万円くらい)が、若干心配になる。無線マニアは全員アルインコを使っているくらいのようだが(偏見)、なんかオタクっぽいのでパス。八重洲は野暮ったいが業務用の無骨さともいえる。ということで八重洲にすることにした。
八重洲にもいろいろあるが、まずメルカリに出ていたSRD790-BTを買ってみた。SRD790シリーズは八重洲のいっちゃんええやつでは?と思ったのだが実際はそういうことではなく、業務用の縛りの強い機種であった。YAESU CONNECTという専用の機能を使う前提であって、そうでない場合(ノーマルモード)は設定が非常にやりづらい。ボタンもダイヤルも足りていない。一般的な使用にはぜんぜん薦められない機種のようである。とはいえ非常に面倒ではあるがチャンネルやUC, 秘話コードの設定も可能であるため、普通に使うことはできる。また軽くてPTTボタン(話すためのボタン)も大きいので、設定してさえしまえば使いやすい。マイクの接続が八重洲の他機種とも異なってほぼ専用品しかないのは弱点だが、接続部がコンパクトかつ脱着が容易で防水なのはポイントが高い。
2台目にはSTANDARDの安いVXD30を買った。新品の実勢価格が3万円を余裕で切るお値段でゴツいボディ。現場用の趣があって大変結構である。ダイヤルもボタンも多いので設定もしやすい。マイクのコネクタも接続部がネジ留めでかなり大きい。だいぶ邪魔ではある。この接続方式は頻繁に付け外しするには全く向いていない。非接続時は蓋をネジ留めする必要があるが、そのネジは普通の+ネジである。一方でマイクをつける場合は-ネジとなっており、本当に何を考えているのかよくわからない。揃えた方がよいと思います。この方式も独自?のようにも見えるがSRD790のと違って八重洲の過去の機種でも同じのようで、サードパーティの選択肢も一応ありそう。
3台目もVXD30でよかったのだが、感度が悪い云々ということを言っている人がいたので別のにしてみようと思ってSR730にしてみた。VXD30と比べて若干高いが、そのぶん(?)小さくてよい。設定もしやすく良い感じ。マイクのコネクタはVXD30と同じで共用できる。これが一番気に入ったので、もう1台買うことになったらSR730にするような気がする。
同じメーカーで3台買ったのだが、同じメーカーとは思えないくらい操作性が異なる。SRD790が特殊な機種なのは仕方ないとしてもSTANDARDブランドのVXD30とSTANDARD HORIZONブランドのSR730がまるで別物なのは興味深い。前者がモトローラのOEM(噂)だとしてもせめて用語くらいは揃えたらどうなのかと思う。一例として通信されているチャンネルを探す機能がVXD30ではスキャンと呼ばれているがSR730では待受という名前になっている。何が何だかわからない。売ってSR730に揃えてもいいが、廃局等も含めるとやる気にならないのであった。
ちなみに当然ではあるが、設定(チャンネル・UC・秘話コード)を合わせれば3台の通話は問題無く可能である。また一部のアルインコ機種を除くと他社のデジタル簡易無線との通話も可能なはず。
続く、かもしれない
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無線機屋さんも商売ですからね ↩
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「直ちに、遅滞なく」と言うとその日の夜のうちには事象が確実に発生しそうなものだが、「遅滞なく」とだけ書かれるとそこまで急がなくてもいいような気がしてくる ↩
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ChatGPTに理論値を聞いたところ難しい計算を並べた結果平方根に比例するということであった。仮に言うとおりであれば500倍の出力のとき到達距離は約22倍ということになる。またここから減衰の影響次第でどんどん1倍に近づいていくとのこと。 ↩