Osmo Pocket3が発売されたので勢いよく買ったはよいものの、マイクを繋ぐのに苦労した話。

Osmo Pocket3のマイク接続

言わずと知れたOsmo Pocketの3代目。初代を使っていたこともあるのだが、さすがに画質に難があったため使わなくなっていた。使い勝手やブレのなさは特筆すべきものがあり、かねてよりこれの1インチ版が出たらなあと思っていたところに突然(やっと)発売されたので即購入した次第。ちなみにDJIのカメラやジンバルは購入後にスマホアプリを使ってアクティベーションをしないと使えないというしょうもない仕様となっているのだが、この製品のアクティベーションに使うAndroidアプリはストア配布でなくapk配布である。まともな会社のやることではない。いい加減にしてほしい。

さて、動画を撮るときに必要なのはマイクである。もちろん内蔵されているが、外部マイクと音質を比べた上で何を使うかを決めたいところ。ちなみにOsmo Pocket3はDJI Mic(2)という無線マイクに対応しているらしく、それを主に使ってほしいという意思をDJIからは感じる。だが断る。都合良くマイクをつけられるような環境で使わないため。

すると必然的に小型の有線マイクをつなぐ方向になるが、この製品にはUSB Type-Cしかポートが存在しない。一応取説には記載があり、使えるということになってはいる。

Osmo Pocket 3は、外部マイク(DJI Mic, DJI Mic2、48K/16ビット対応のサードパーティ製のデジタルType-Cマイクなど)と接続することができます

ということで、いまα7ivで動画を撮るときに使っているオーディオテクニカのAT9912なんかをつないで使ったら手軽に音質アップが狙えるのではないかと思っていろいろ試したところどハマりしたのであった。

結論

先に結論を書くと、このようになっているので注意されたい。

  • 過去のOsmo Pocket用マイクやアダプタは使用できない
  • USB-C to TRRSアダプタと、TRRS(4極)接続のマイクを使えば使える
  • 外部マイクが接続されていると、画面上部にオーディオレベルインジケータ(緑の棒状)が表示される。また音声設定でゲインを変更できるようになる。

OsmoPocketの画面上部bに緑色のレベル表示が出ている様子の写真

この表示がないときはマイクが認識されていないので、音質比較をしても無駄なのである(やったわけだが)。

旧モデル用アクセサリを試す

まずはBOYAが出しているOsmo Pocket専用USB-Cマイクを買ってみた。BY-DM100-OPというやつである。国内ではもう販売されておらず、AliExpressで$40くらいしたように記憶している。

そしてType-Cからマイク端子に変換できたらそれもよいなと思い、BOYA OA-1も買ってみた。こちらは$10くらいで、Osmo Action用とのことであった。

小型マイクとアダプタの写真

そしてこの2つはOsmo Pocket 3では全く使えなかった。過去とプロトコルが変わったのかもしれない。

アダプタはともかくOsmo Pocket専用マイクが3で使えなかったのは悲しい(値段的にも)。

DACとTRRSマイクを試す

専用(専用ではない)マイクが使えなかったのでいろいろ調べていると、普通のType-Cからマイク端子に変換するアダプタを使ったらマイクが使えたよというYouTube動画を見つけた。

そこで紹介されていたStouchというところの安いアダプタを買ってつないでみたところ一瞬画面にオーディオレベル表示が出て、マイクが使えるという期待が高まったが、この個体のUSBコネクタが異様に固く、中を見たら端の金属部品がめくれたりしていた。諦めてこれは捨てた。

なんかいけそうな気がしたので、同様の製品を3つ注文してみた。

ところが、満を持してこれらにオーディオテクニカのAT9912をつないでみたところ全く動かなかった。いろいろ試してみたところ、どうもこれらのアダプタに差すマイクはTRRS(4極のもの)でなくてはいけないらしい。AT9912はカメラ用なので3極(TRS)である。そういえばMKE400にも、カメラ側が3極になっているケーブルと4極になっているケーブルが同梱されており、後者はスマホ用と書いてあった。

MKE400のケーブル(スマホ用)を引っ張り出して適当なマイクとつないでみたところ、3つともちゃんと動くことがわかった。適切に繋ぐと画面にオーディオレベル表示が出る。ちなみにやや動作が不安定なので、マイクをつないでもレベル表示が出ないこともある。設定画面を開いたり出したりしていると出てくることもある。

TRRSならよさそうだということがわかったので、TRRSをTRSマイク端子に変換するアダプタ1を買ってAT9912を繋いでみたところ、これでもOKであった。とはいえこれだとケーブルが長すぎて不便なので、BOYAのTRRS端子のマイクも買ってみた。

動いた組み合わせ

「Type-C - TRRS」は、上のUGREEN/エレコム/Beyeahの3つのいずれかを指す。

  • [Type-C - TRRS] + [TRRS-TRSケーブル] + RODE VideoMicro
  • [Type-C - TRRS] + [TRRS-TRSアダプタ] + AT9912
  • [Type-C - TRRS] + BOYA BY-M110

ということで上に書いた結論に至る。

ここに至るまでマイク関係だけで8個ほど物を買っており、合計金額についてはあまり考えたくない。最初に買ったBY-DM100-OPはメルカリに出そうかな……。

実用する組み合わせを考える

さて、いろいろ買ったおかげで使える組み合わせがたくさんある。どれを使うのかを考えなくてはいけない。

まずは自撮りしながら内蔵マイクと各種アダプタ・マイクを比較する動画を作った(非公開)。感想としては内蔵マイクがそこまで悪くなかった。同様の比較をα7Siiiでもやったが、このときより内蔵マイクと外部マイクの差が小さい気がする。なぜかはわからないが(小型DACの限界?)VideoMicroみたいな良いマイクをつないでもそこまで音質がよく感じられない。マイクの差分という意味ではAT9912とRODE BY-M110はそこまで変わらない印象を受けた。

そして今回問題になる点として、Type-C - TRRSは単なる端子形状を変換するアダプタではなく、DACである。ここでAD変換もしているようなので、製品によって音質や音量が異なる。エレコムは音量はでかいがホワイトノイズ?が常に乗っている感じ。BeyeahとUGREENはノイズ小さめだがレベルも低め。

その他気づいたこととして、モノラルマイクをつないだときの挙動が異なる(今回試したマイクは全てモノラルだった)。エレコムとBeyeahは片側(たぶんL)だけに音が入っていて、反対側は無音だった。UGREENは左右に同じ音が入ってきていた。これが余計なおせっかいととられるのか親切な仕様ととられるのかオーディオ業界の常識はわからないが、ヘッドホンで聴く限り両方に音が入っている方が違和感は小さいように思う(もちろん、片側にしか音が入っていなかったとしても編集時にどうにでもできるとは思うが)。ここを気にするならUGREENにしたほうがいいかもしれないが、スピーカーで聴くならどっちでも一緒かもしれない。

これらの組み合わせを試した感じ、いちばんボリュパ(体積対パフォーマンス比を表す珍妙な造語)がよさそうだったのはBeyeah + BOYA BY-M110を使い、内蔵のゲインを+12~+18dBくらいかけてやる組み合わせ。アダプタも小さいし、しばらくこれでいくことにする。UGREENにはケーブルなしの直結アダプタもあるようなので、こちらにすれば左右に同じ音の入った動画が手軽に撮れるかもしれない(未確認)。

小型マイクとアダプタをOsmoPocket3下部に装着した写真

  1. ヘッダ画像の右端のものである。長くて不便。