低温調理器

低温調理をもちいて角煮を作る

生きることは角煮を作ることなので、今日も角煮を作る。

通常の調理シーケンスについては私の中で確立しており 1、これに従うことで一定の成果を得られることは既にわかっている。しかしまだ肉の線維が固いまま残ることがあり、改善の余地があることもまた見えている。

肉料理界のレジェンド安全ちゃんさんによると、下ゆでとして蒸し、その後味を付けるためにまた蒸すとのこと 2。その根拠は温度管理がしやすく乾燥しないということのようなので、これは低温調理で一発逆転できるのでは??という気になってくる。

私の理解によると角煮の調理の要件は下記の通りである。

  1. 肉を65℃以上に加熱する(コラーゲンを凝固させる)
  2. 臭みをとる
  3. 脂を抜く
  4. 75℃以上で長時間加熱する(コラーゲンを軟化させる)
  5. 味を付ける

通常の方法においては下ゆでで上記1から3、その後煮ることで4,5をカバーしているが、安全ちゃんさんのレシピにおいては1から4までを1回目、5を2回目の蒸しで実現しているように見える。ジップロックに入れて低温調理をすると2,3が苦手であるので、今回は4,5を低温調理に担ってもらう方向で考える。

つまり、

  1. 通常通り下ゆでをする
  2. 醤油以外の下味をつけた汁で80℃3時間調理
  3. 醤油を含めて味を調えた煮汁に長時間浸ける

という感じである。

今回の調理シーケンス

今回の調理シーケンス

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低温調理をもちいて筑前煮を作る

筑前煮を作ることにした。いままで何度か作ったことがあるが、毎回肉の固さが課題であった。さすがに根菜と一緒に1時間も煮込めば上等な鶏もも肉もぱさついてしまうのも当然である。そこで伝家の宝刀、どこのご家庭にもある低温調理器で肉をやわらかく調理し、普段通り煮込んだ根菜にマージする方法で進めることにした。本稿で筑前煮の詳細については触れないので、お気に入りのレシピをもって進めるとよいと思う。

低温調理器の自作については過去のエントリたちを参照いただきたい。自作ではなく普通に購入したいという奇特な方はNomikuとかAnova 1とかいうやつが便利らしいという噂なので、購入して知見を共有してほしい(納期に不安があるという話も聞く)。

けっこう高いな……。

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低温調理: 温泉卵をつくる

YAPC::Asia 2015に参加してきた。今回で最後とのこと。残念だけど運営はすごく大変だろうししょうがないのかもしれない。今までありがとうございました。

@moznionさんの発表の質疑の時間に、低温調理におすすめの食材を質問させていただいたところ、大根と卵と伺ったので卵を試してみた。

ちなみに大根については、長時間加熱したあとも形を保っているように見えるが、取り出した瞬間に崩壊するのが見られて良いとのことだった。食えるのかそれ。また氏は1000Wの投げ込みヒーターを使用したとのことで、300Wのなめたヒーターしか搭載していないスロークッカーより応答性が高く使いやすそうである。画像を見た感じSSRの放熱には苦労していたように見えたが。

いろいろ調べたところ67-68℃で30分くらいというのが温泉卵を作るのが相場らしいので、まずは68℃で30分加熱してみた。

 

卵を鍋に吊す

実家の母が見たら卒倒しそうな調理風景である

鍋の温度が高いような気がしたので、安全策として卵を宙に浮かして加熱してみた。ネットが三角コーナー用のものに見えるかも知れないが気のせいである。

特に根拠なく、開始時の温度が低かったので35分くらい加熱した。

温泉卵加熱中の温度変化

温泉卵加熱中の温度変化

あとからグラフを見ると不安にかられるが、気にせず1つ割ってみる。

WP_20150822_23_55_24_Pro__highres

WP_20150822_23_55_43_Pro__highres

うむ。うまい。白だしをちょっとかけていただくと最高である。

あと2つも作ってしまって何にしていいのかわからないが、とりあえずサラダにでものせるか。ズッキーニのグリルとルッコラのサラダとか、そういう感じで。

【訃報】低温調理器ことRaspberry Pi 2さん

出がけにヒーターのコンセントのところのスイッチ切っとくか、と思ってプチっと切ったのが実はRaspberry PiのACアダプタだったことに気付くまで、時間はそうかからなかった。

起動させようとするとkernel panicおこして0.5秒で止まる。たぶんまたRaspbian入れ直せば済むのだろうが、根本対策をしたいところだ。ストレージを外部電源のHDDにしたら少しはマシになるのだろうか。ちゃんとUPSにつないでおけばよかっただけという話もあるが。。。

さらに間が悪いことに、以前頼んでいたRaspberry Pi2用のケースが今日届いた。

起動しないRaspberry Piにケースをかぶせたところ

起動しないRaspberry Piにケースをかぶせたところ

ぴったりですね。けっこういい感じです。クソ。

ちなみに装着するためにはmicroSDを一旦抜く必要があります。

Raspberry Pi2/Pi3用ケースセット (Clear) -Physical Computing Lab

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Price: ¥ 14,100

低温調理器を自作する – TCP talkers – (Web UI編)

さて、デーモン化したはよいが、結局温度設定を突っ込むにはRedisを介さなければいけないのであった。不便で仕方ないのでWebから設定できるようにしたい。スマホから肉を煮たい。まさに人間の根源的な欲求だと思う。というわけで今回はWebから設定できるようにした。

Cooker-block-diagram

 

図だけでもそれっぽくかわいい感じにつくればそれっぽく見えると思っていたのだが、どうやらそんなこともなさそうである。

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低温調理器を自作する – daemonize・豚肩ロース編 –

今日も今日とて豚肉を食べたい気分になったので、豚肩ロースをやっつけます。いつものようにグラム140円くらいの安い豚肩ロースブロック(最初から縛ってある、すばらしい)を買ってきて、余ってるハーブとクレイジーソルト、胡椒をかけてラップでぐるぐる巻きにして一晩寝かせます。ここで白状しておくと、一晩寝かせるというレシピを書いてみたかっただけなので、この工程の正確な意味は理解していません。ただタイムの香りがよくきいていたので、寝かせたおかげということにしておきます。

一晩寝かせた肉

タイム・ローリエとともに一晩寝かせた肉

この時間を利用して開発を進めます。肉を煮ているだけでは進歩などありません。

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低温調理器を自作する – 袋破れて脂あり (プローブ改良に頓挫してステーキ焼いた編)

いつものようにタイトルに意味はありませんが、IKEAで買った安物のジップロックのパチもんを使って調理したところ、熱に耐えられず簡単に破れて脂まみれになった心境を杜甫のごとく詠んでみました。IKEAのやつ、そもそも常温で簡単に漏れますからね、買っちゃダメ、ゼッタイ

さて、今日は雨の中わざわざハンズで熱電対のカバーに使えそうなステンレス管を買ってきました。外径4.1mm, 内径3.5mm, 長さ300mm。600円というお値段を除けば完璧です。これを鍋の中に突っ込むためには片側を封鎖する必要があるわけで、適当な木ねじを買ってきて突っ 込んでみました。

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低温調理器を自作する – スロークッカーはインターネットの夢を見るか? (ハードウェア編)

スロークッカーという調理器具がある。鍋ごとじっくりことこと煮てくれるもので、角煮やビーフシチューを作るのに適しており、構造の単純さゆえにとても安い。

ツインバード スロークッカー ブラウン EP-4717BR

by ツインバード工業(TWINBIRD) [ツインバード工業(TWINBIRD)]
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Price: ¥ 3,199

これなど、僕が買ったときには2000円くらいだった。その代わり付属の鍋(保温性重視の土鍋)は直火にかけられず、タイマーもついていない。さすがに使いづらすぎるのでタイマー付きにしようかと思ったのだが、すると6000円くらいは出さないといけない。また、スロークッカーというのはそもそも所定の熱量(僕のは強で350W)をかけ続けるだけの機能しかないので、平衡に達する(=煮込むときの)温度は出来高でしかなく、再現性に欠ける。100度弱の温度でじっくり煮るだけならよいのだが、厳密に温度管理をしてパスチャライゼーション(詳しくは Cooking for geeksを読まれたし)をしようと思うと何の役にも立たない。

それを可能にする低温調理器的な器具として、100度未満で一定の温度を維持するような機能も欲しくなるが、そうするとパナソニックに2万円払う必要が生じてくる。

パナソニック 電気圧力鍋 マイコン式 3.7L ノーブルシャンパン SR-P37-N

by パナソニック(Panasonic) [パナソニック(Panasonic)]
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Price: ¥ 23,544

払えんわ。適当に安いのでもぽちるか、と思っていたところ

 

先輩から煽られた。はい。

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